第39話

無事に遺跡に辿り着くことができた。

俺はすぐに水分補給と簡単に食事を済ませる。


まずは『転送室』に向かう。

マップの確認だな。

新しいマップの解放はない。

俺たちはシドル村に行き、帰ってきただけだから新しい場所に行っていないのだ。

おそらく、俺が新しい場所に行くと、そのマップを解放できるんだと思う。


ん?

マップに変化が見られる。

以前と同じようにシドル村が青白く光っている。


そして、緑色の点が2つ点滅している。

これって……フェリスさんとトヨワさんか!!

エルフだ。

マップ上でエルフを確認できる。

これはかなり有益だな。


そして、この『転送室』の項目を確認する。


シドル村 単体転移 100 全兵力転移 1000 帰還魔法陣 1000


これだ。

まずは『帰還魔法陣』だな。

先にここへ帰れるようにしておきたい。


俺は『帰還魔法陣』をタップする。


それから『全兵力転移』だ。

魂兵もまとめて移動しよう。


あ、そうだ。


『魔法兵(炎)』を2体強化中だったが、レベル2の方はまだ終わっていない。


一般兵 Lv2 5体

一般兵 Lv1 0体

魔法兵(炎) Lv2 2体

魔法兵(炎) Lv1 0体


現在の兵力だ。

レベル1が全てレベル2になっている。


ん?

訓練室の台座が光っている。

新しい項目が増えたか?


スラッシュ(不可) Lv2 : 5000

激昂  New Lv1 : 1000

魂兵強化 Lv2 : 500

魂兵強化 Lv3 : 2000


『激昂』?

新しいスキルだよな?

魂が1000の消費なら買いだろう。

俺は『激昂』をタップする。


……………………

しかし、変化は無い。

『スラッシュ』のときのようにスキルを使えるようになった感覚が無いのだ。


しまったな。

レベル1のスキルなら無条件で習得したほうが良いと思ったのだが、使い方がわからなければ微妙だ。


そしてすぐにでも『全兵力転移』をしたいことろだが、まだやることがある。


魂 24775 / 毎時魂 380 / ゲート破壊数 34


『肉体強化』をしたいところだが、装備だな。

兵士の死体から取れる装備は2セットだけだ。

残りはスイセンが持って行ってしまったからな。


剣兵が5体いるから4体分は石装備で揃えておこう。


石の剣 500

石の盾 500

石の胸当て 1000

石の兜 500

石の脛当て 500

石の手甲 500


4体分揃えると、それだけで14000の魂か……

もちろん、素材の石材でも魂は消費する。


しかもだ。

時間がかかるのだ。

石装備は一つあたり30分か。

全て制作するのに12時間かかるぞ。


エイハンと同僚の兵士が戻ってくるまで4日かかるって話だったな。

その前に一度『転送室』の性能を確かめるべきだな。


そしてできる限り食料を持って行ったほうがいいだろう。

俺は持てるだけの米と芋を生成し、さらに鍋を生成、水を入れていく。


いや、待てよ。

これって全兵力だよな。

てことは恐らく魂兵も連れていくことができるはずだ。

ならば、魂兵にも食料を持たせていこう。

「ホ!!」

俺は魂兵に持てるだけ水と食料、塩を持ってもらう。


よし、『全兵力転移』だ!!


俺は『全兵力転移』を選択する。

すると、景色が真っ白になる。


!!


シドル村だ。

魂兵たちも一緒に連れてくることができた。


もうすぐ夜が明ける。

フェリスさんたちは、すでに休んでいるようだ。


あれは、エイハン?


「エイハンさんは休んでいないんですか?」

「いや、休んださ。今は交代で見張りだ……って、何だ!?」

「ホ!!」

エイハンは、魂兵を見て驚いている。


「大丈夫です。こいつらは味方です」

「魔物、じゃないのか?」


「はい。ほら、食料を持ってきました」

「そうか……」


「疲れているようですね。休んでください、見張りはこちらでやっておきますよ」

「あぁ、すまない」

エイハンは廃墟へと入っていく。


「あのさ、お前らって睡眠とか休息必要?」

「ホホ!!」

魂兵は首を振る。


「マジか。すげぇな。じゃ、見張りとか頼んでいい?」

「ホ!! ホホー!!」

心なしか喜んでいるように見える。

見張りは魂兵に任せよう。


俺も、眠っておこう……

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