第七話 覚醒2

 俺は、混乱していた。ここはどこなんだ…


「私は神だ。名前を失い、力も削がれてしまったがね。」


「はぁ」


 訳わかんねえ。と、思考を放棄していると


「お前は、私の力を十全に使う資格を得た。だからここに呼び寄せた。」


 そんな資格をいつ得たんだろう。


「資格とは、自己を疑うこと。自身の得た力に疑問持ち、更なる進歩を目指したこと。ゆえに、力を与えよう。」


 なんか、知らんうちに資格を得ていたみたいだ。


「本来は試練の星にある宮に向かわなければ、私はお前に干渉できないはずなのながな…相性のよい石に私の力が込められたのでな。」


 なるほど?


「おまえは、お前の星座の宮、元素を知っているか?」


「いえ、知りません」


 宮とか元素とか、何についていっているのかわからない。


「十二星座には司る性格、四大元素、星があるのだ。」


「なるほど」


「それを理解することで、自身がどんな存在なのかを理解し、星座の力を完全に扱える。」


 すると、身体がメラメラ燃えた。この世の全てを焼き尽くす勢いで火が広がろうとしていた。


「お前の星座に、牡羊座アリエスは男、活動宮の火、火星だ。」


 この羊…下半身が魚だから多分牡羊座の何か…曰く、宮には、活動宮、固着宮、柔軟宮が存在しているらしい。そのなかでも活動宮が意味するのは、


「前進と、勢い、情熱」


 だそうだ。属性の火は、文字通り"火"を操れるとのこと。守護星に関しては、


「火星が意味するは行動と衝動。」


 とのこと。総合すると、


「メラメラ燃えている感じの人間」


 だそうだ。


「だけど、今の俺に勢いはないよ」


 今の俺は、まだブルーのことが忘れられない。執着し続けている。


「それでいい。」


 この、謎生物は続ける。


「自身のさがに囚われるずに前へ進もうとしているだろう。過去を忘れようと走り続けている方が、過去に執着していると私は思う。自分を責めるなとは言わない。確かに君にも至らない部分はあった。だが、人間はそんなものだ。神だって欠陥だらけなのに、それに造られた人間が完璧であるはずないだろう。浮気はされた方ではなく、した方が悪い。自分を責めすぎるな。」


 なんか、涙が出てきた。最近涙脆いな。


「力を授けよう。」


 右手の甲に、紋様が浮き出た。


「火の星剣だ。お前の望みに応じて、形を変える。」


[出ろ]


 と命じたら、炎を身に纏った大剣が現れた。


「力は与えた。またいつか会おう」


 めまいがして、いつの間にか


「おかえり。どうだった?」


 元の部屋に帰っていた。


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