第26話 とあるチャットアプリの光景①

レンヤ

『────とまぁ、全体の攻略の流れはざっとこんな感じだな』


マスキング

『情報感謝!骨将軍だけでも十分ムリゲーだったのに、まさか裏ボス付きのダンジョンだったとはねぇ』


なっち

『ですです。いや~、やっぱり有給とって参加すればよかったかな……』


餓狼

『挑む前ならやめとけと言ってたが、全て終わった後だとそこまでする価値はあったと断言できるな』


なっち

『ですよね~、いやー惜しいことをしましたよ本当に。次になんかおっきいイベントあったら絶対参加しますからね~!』


クヌギ

『あのカノーファスって裏ボス、剣聖さんなしでも出現するんですかね』


レンヤ

『ストーリー的には出現しそうだけどな、ただハイト無しじゃ絶対勝てん』


スシマチ

『最初の全体麻痺の時点で対策必須ですからね。剣聖さんという最強助っ人を加味しても、初見で勝てたのは奇跡に等しい出来事なんじゃ?』


クヌギ

『マジでそんな感じだと思います』


yahata

『でもあの戦闘録画見てた感じ、耐久は結構ぺらそうじゃありませんでした?最初の麻痺さえ対策しとけば、全然勝機あると思いますけど』


レンヤ

『無理だな。確かに結果だけ見りゃ一撃だったが、あれは【剣聖】って職業相性とハイトの超高火力が合わさったからこそなせる技だ。首を断ち切って死ぬならワンチャンあるが、そういうところはゲーム仕様だからな。グラマギは』


マスキング

『まぁ不死ノ王なんて大層な二つ名が付いてる時点で、首切り一撃とヘッドショットの仕様があっても例外扱いだった気がしますけどねー』


なっち

『……聞けば聞くほどよく勝てたなぁって感じですね。ホント』


餓狼

『勿論剣聖が一番の功労者なのは勿論だが、剣聖を引き連れてきたあの二人もなかなかの活躍ぶりだったように思うな』


ワミリ

『いやマジでそれよ!サフィリアさんの方はオリジナル魔法なんて切り札もってやがったしよー。あれ後で聞いてみたら、魔法ダメージ1・5倍らしいぜ、マジ半端ねぇ!』


アカシア

『びっくりしましたよね、あれ。ワミさんはちょっと興奮しすぎですけど』


クヌギ

『確かにオリジナル魔法はインパクト抜群でしたけど、個人的アイシスさんに助けられた印象が大きいかなぁ。僕達よりレベル低いのにあれだけ動けてたんだもん。こっちじゃ剣道とかやってるんですかね?』


レンヤ

『それはわからんが、リアルスキルなのは間違いない。ハイト助けに行ったときの突進とかヤバかったぞ、スケルトンが見失ってやがった』


餓狼

『……こういう話題で引き合いに出すのは良くないかもしれんが、似てるよな、アイツに』


なっち

『アイツ?』


スシマチ

『キョウマ君でしょ。レベル差を技術でひっくり返してるのとか完全にデジャブだよね』


マスキング

『あ~……ベータ終了から音沙汰なしだけど、何してるのかな』


なっち

『ゲームがつまらなかった~、とかじゃなさそうですもんね。何なら一番楽しんでたまでありますよ、彼』


餓狼

『キョウマは何かと忙しそうにしてたからまだ分かるが、根っからのゲーム廃人だったヤクモまで音信不通となると……ここで知り合っただけの仲とはいえ、少し心配してしまう』


アカシア

『だけど、みんな二人の連絡先とか知らないでしょ?』


レンヤ

『ここ以外はな。キョウマのやつがそこらへんしっかりしてたからよ。確か八雲の連絡先聞いて、ちゃんと断られてたよな誰か』


ワミリ

『うぐっ』


マスキング

『出たな』


アカシア

『出たわね』


ワミリ

『ちょ、弁明の機会を!別にそういう目的で聞いた訳じゃないですから!』


レンヤ

『その話は当時も聞いたよ。当事者の八雲が気にしてなかったから不問にしたが、あの時マジでピリついてたぞ、主にキョウマが』


なっち

『というより、あの二人を見て間に入ろうとかいう精神がどうかしてますよホント』


ワミリ

『いや、その節は本当にご迷惑おかけしました……』


レンヤ

『……本人も見れるから説明しとくが、あの二人は別に付き合っているわけじゃないらしいぞ』


なっち

『………………え?』


マスキング

『ま?』


餓狼

『俺もそう聞いたぞ。キョウマが誤解される方が都合が良いから直接聞かれない限り否定はしないと言っていた』


アカシア

『いや、マジでビックリです』


ワミリ

『じゃあ何で俺あんなに警戒されてたんすかね……』


yahata

『幼馴染が悪い男に引っかかりそうになってたら止める男でしょ、キョウマって』


ワミリ

『おい、誰が悪い男だって?』


タンメン

『なんか盛り上がってるな。おい、今入れる奴いるか?』


レンヤ

『タンメンお疲れさん。どうしたんだ、なんかのクエストか?』


なっち

『今ご飯食べてるんで、それ終わってからならいけますよ~』


タンメン

『あー悪い、聞き方ミスった。なんか一緒に行きたいわけじゃなくて、入れるやつは急いで入った方が良いぞってことだ。他の奴も、多少無理してでも来た方がいい』


餓狼

『ほう?』


クヌギ

『一体どうしたんです?』


タンメン

『一クエスト終わらして王都に戻ったらよ、突然始まったんだ……ワールドクエストが』








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