第3話 準備期間2
冒険者組合に戻り受付へ顔を出す。
「すみません。従魔登録をしてほしいんですが。」
「はい!では従魔を見せていただきます。」
受付の男性が鑑定の魔道具を使った。
「女帝蜜蜂 Aランクの魔物ですね・・・えぇっ!Aランク!」
「誘惑の森でイレギュラーが起きていたみたいで偶然従魔にできました。」
「そっそうですか。ちなみにスキルは風魔法・毒魔法・軍団召喚・補助魔法の4つですね。おそらく軍団でのランクはSに届くかと思います。」
「ありがとうございました。」
組合を後にし自宅へと帰る。自宅は1DKで家賃は安めだ。貯金はそこそこあるが現状は田舎に購入した家との2重の出費が苦しい。田舎暮らしの準備は大体終わっており、家は新築の平屋を建て家具や家電はもう運んであり蜜を集めるための花や果樹も植えてもらっている。あとは部屋の荷物を段ボールに詰めるだけになっている。
残りのひと月は、魔物の肉やアイテムを集められるだけ集めることだ。明日から忙しくなる。今日はもう終わりにしてみっちゃんの出会いを記念して豪華なご飯を作ろうと思う。食事と寝ることは人生の幸福だと思っている、なので調理器具や寝具にお金は惜しまない。
本日の料理は、極厚とんかつです。 5cmの厚さに切った豚ロースをハーブやスパイスと一緒に低温調理器具につける。それをいくつも用意し副菜のキャベツなどを刻みご飯を炊く。みそ汁はなめことおくらネギを入れ合わせ味噌を溶く。
ロースに火が通ったら小麦粉・卵・パン粉ををつけさっと揚げ切り分け大皿へと盛る。肉はとても柔らかく中から肉汁が漏れ出てて来る、そして俺とみっちゃんの口からはよだれが出てきて止まらない。テーブルへ移動し食事の準備を終え手を合わせる。
「では、みっちゃんとの出会いを祝しましていただきます。」
「ギ」
みっちゃんも俺の真似をして手を合わせ1鳴きし、すぐにとんかつをつかみ噛り付く。
「ギ!ギ!」
とてもおいしそうに食べてくれている。声色からもわかるぐらいご機嫌だ。ほほえましく見ているとみそ汁や野菜に目もくれずとんかつがどんどん減っていく。
「みっちゃん食べるの早すぎ、俺にも分けてくれ~」
~~~~~~~~~
「は~、くったくった!」
「ギ~♪」
食後はゆっくりとテレビを見た後シャワーを浴び就寝した。みっちゃんは今日の食事からわかる通り肉食のようだあの野菜も食べていたがあまり好みではないようだ。明日は魚を試してみよう。
今までの冒険者生活の中でアイテム袋という外見とはかけ離れた量の荷物が入る袋をいくつも持っている。ものによっては中に入れたものの時間が進まないレアものまであるのだが、そのレアものをいくつか所有しておりそれをパンパンにする生活が始まる。もうここまで来たら残り少しだ、夢を成功させるため一生懸命努力しよう。明日からも頑張るぞ!
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