いとしのレイア

草加八幡次郎ボロ家@リア充爆発しろ

世界設定

序章1 創世神話

 天地の分かれし前、そこには渾沌があった。そこに地敷大比売神が現れ、渾沌を切り裂き天と地に分け、自己を地として天を夫とした。地敷大比売神とは文字通り地面を敷く女神であることからそう呼ばれるが、実質的には「存在自身EXISTENCE itself」の象徴という方が近いかもしれない。かと言って神学・哲学的な概念かというとそうでもなく明確な意志のある人のように描かれる。

 天と地はもともと渾沌の一部であったため、地でない場所を天、天でないところは地でありウマがあうからいつも一緒ふたりずっと離れられないと言われていた。少なくとも二人に子供が出来るまでは……。

 二人の間にはじめに出来たのは蛭児。ぷにぷにのスライムだった。地敷大比売神は「不定形なところとかあなたそっくりの元気な男の子よ!」と産後鬱もどこ吹く風とばかりに大喜びした。そう天神ウラノスは流動体の身体で不定形なものであり、地敷大比売神は天神ウラノスのそこがカワイイと気に入っていたのだが、実はウラノスはそのことを頭が禿げるほど気にしていた。そのスライムのような一言で言うならば出来損ないの不具の長男を見てウラノスは恐れをなして、「俺に似てなどない!捨ててこい!」

と子宮に押し戻した。地敷大比売神は万物に生命を与える神秘的な力であり、すべてのものは地か天に属する。天に受け入れられなかったモノは地すなわち地敷大比売神に戻るしかない。

 このときから夫婦神の仲というのは悪いものらしい。

 お腹を痛めて産んだ、大切な我が子を否定されて、かと言って天に接する地表に出す訳にもいかず地中か海の中といった大地の中に取り込んで夫から守るほかなかった。泣く泣く蛭子を笹舟に乗せて流した。その蛭子が釣人に釣られ、蛭子神とその保護者たる原初の至高神地敷大比売神の歓心を買い神助によって釣人が無双するのはまた別の話。

 次に産んだのは1つ目の怪人、怪物など。

彼らもまた天神ウラノスに認知されずに乱暴され、地敷大比売神の腹の中に保護された。彼らがドワーフの祖先とされる。

 ウラノスは流石に自分の母親でもある地敷大比売神にこそ乱暴はしなかったものの、子供への乱暴は絶えることがなく、次第に地敷大比売神はウラノスを許せなくなってきた。

 次の子にもそんな態度を取ったらお尻ペンペンしてそれこそウラノスを自分の腹の中に戻して産み直してやると考えてた頃に、二人の間の最後の子どもたちがお腹に宿った。なぜその子どもたちが最後になったのかもまた別のお話。


 最後に生まれた神々は、現代からは巨神族と呼ばれ、特に大きい存在だったが当時はそれが当たり前の大きさだった。


 その兄弟姉妹の一柱の女神がレイアであり、やはり理由も全く同じように夫とは不仲であったが、このレイアこそが、現在の神々の共通の母とされている。

 彼女は配偶者である時空連続体クロノスとともにある「万物の諸状態」を象徴するとされるが地敷大比売神同様に微塵も神学・哲学的な概念ではなく、ふるまいはただの人だ。やはりクロノスとともに子を設けるけるが、産まれた子供を片っ端からクロノスは食べてしまう。無理に神学的に解釈すれば、諸行無常、万物は流転する・経年変化による消滅とそのことを言うものもいるが、やはりただの人のDV夫と虐待される妻と解釈するのが一般的である。

 しかしながらなかなかどうして、万物の諸状態に始まりと終わりを明確としていたクロノスの治世は現代とは比べ物にならないほどの豊穣の時代で黄金時代だったともされている。で、相変わらずDV夫から子供を守る母親というどこかで見たような構造で、現在の神々を産み育てた。育児の相談相手として、またDV被害者の会としてレイアは地敷大比売神とやたら仲が良く、夫のDVから子供たちをよく地敷大比売神のもとに避難させていた。

 

地敷大比売神、レイア、大マテルの三代に渡る女神は最高神すら顎で使う下僕にすぎないという神々の中でもとりわけ地位の高い女神である。最高神とは一体……。

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