006 ルチル様は公爵家の人

 ミウは丁度4歳になったばかりだった。あの美しい婚約者様は16歳。年の差がありすぎるので断ろうと思いきや、なんと平均寿命が300歳のこの世界では、お似合いの2人であった。


詰んだ…


 どうやら大人達は、ミウにいい条件の結婚が舞い込んだ時に、相手が男でも女でも結婚出来るようにと、性分化させないように「男の子、女の子」を意識しないよう育ててきたらしい。あざと過ぎる…


3日間寝込んでて、起きた途端、男の子と女の子の違いを知ってたのは


寝込んでる理由が 性分化の前兆かもしれないと医者に言われたからだった。婚約したてで、女の子になったらどうしようなど、周りが話していたのを、寝ながら聞いてしまったのだろう…と、大人達は都合よく解釈したようだった。


実の親に、外堀から埋められた。。


平均年齢300歳の中で、性別変更チャンスが3歳までだなんて、異様に短くない?


ルチル様は、美しい銀髪に、整った顔立ち、立ち振る舞いも優雅で、姫と言うより、王子様タイプの美丈夫だ。ルチル様の公爵家は女児しか産まれなかった為、家を継ぐ為に、男の子としての教育に力を入れたらしい。


いつかは入婿をと、考えていた矢先に、辺境伯家に、祝福を授かった子供が産まれたと噂になったようだ。


 私の両親は鬼では無かったらしく、皇室からの話はなんとか断ってくれたようだった。一方、ルチル様の公爵家は、我が辺境伯の領地で疫病が流行ったとき、1番に駆けつけてくれ、沢山の人を救ってくれた過去があり両親ともに、心をひらいてるようであった。


公爵家と穏便に婚約を取り消すにはどうすればいいのか、


あ!私、転生時に「縁切り」のスキルをお願いしたんだった。


あのスキル、それを使おう。

それが一番確実だわ。


ミウは、未来に一筋の光を見出したのだった。

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