004 謎の銀髪女性

 ゆっくり周りを見渡してみると、見るもの全てが大きく見える。自分の手はぷくぷくしてるが、全く見覚えがない。幼児さんにでもなったのかしら?


ぐぅう〜


お腹がなった。


「これなら大丈夫そうだな」と、医者と父親らしき人がうなずいた。


ベッドまで食事が運ばれてきたあたり、いいとこのお嬢さんらしい。


食べ終わったら、自分の顔を確認しよう。

可愛いといいなぁー。


「いただきます」


みんながキョトンとした。

(あ、これ無いのか)


なんだか知ってるような知らないような味付けだにゃ〜。

もぐもぐ


その時、バァーンとドアが開き、周りが制するのも聞かず、誰かが入ってきた。


「ミウ〜心配したよー」


ぎゅうううー

ひぃい。今度はだれーっ?


目を見張るような銀髪に、整った顔、非の打ち所がない美人な女性がミウを抱きしめる。


(お姉さんかな?)


と思ったら、間髪入れず、母親らしき人が恭しく挨拶をした。


「これはこれはルチル様、ご無沙汰しております。ミウも目を覚ましまして、我々も安堵しております。」


「堅苦しい挨拶は抜きで。ねぇミウ」


どうやら、私にベタ甘な人らしい。


「だって私達、家族になるんですもの」


(ふーん、そうなんだ。)


するとメイド達が口々に


「ご婚約おめでとうございます、ミウ様、ルチル様」


「おめでとうございます!」と、拍手した。


え"っ?婚約??

だれとだれが?

え?私とこのお姉さんが??


えー!!?


再びミウはベッドにひっくり返ってしまった。

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