第2話 メロディ

同じクラスの友達、ゆかちーと家に帰る途中で

猫が捨てられているのをみつけた。


「ゆかちー、あそこにねこがいる」

「ほんとだ」


見に行ってみると、まだ子猫だった。


「かわいい」と、ゆかちーは猫をなでた。

「うん」


「うち、ペット飼えないんだ。やえちゃんのおうちは?」

「わからない。連れて帰って、飼ってもいいかきいてみる」

「飼えるといいね」


台所に行くと、お母さんがいた。


「あら? かわいい。猫どうしたの?」

「道に捨てられてて、ずっとついてきた」

「あらまあ」

「とてもさみしそうなんだ。一緒に居たいみたい」

「うーん。そうね」

「うちで飼う」

「きちんと世話するなら、いいわよ」

「にゃーん!」


そう言うと、やえちゃんはうれしそうにお兄ちゃんの部屋へ向かった。


「お兄ちゃん」

「あ! 猫だ。どうしたの?」

「道に捨てられてた」

「うちで飼うの?」

「うん」

「ふーん。ちゃんと世話するんだぞ」


「にゃー」と猫がないた。


やえちゃんは猫の顔を見ると言った。

「世話されるのか」


「で、猫の名前どうするんだ?」

「あきとくん」

「それはボクじゃないか!」

「うん」

「ちゃんとつけてあげなよ」


「じゃあ…メロディにする」

「良い名前だ。今日から君はメロディだ!」


シーン…


「あきとくん」

「にゃー」と猫がないた。

「だめだって!」

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