【箱庭】 叫び

箱庭師

第1話 格闘

男は全裸であった。

ここは公園の公衆便所、個室。

かれこれ五時間、ひとり格闘していた。

繰り返した失敗が、男の意思を一層、強固にしていた。縄を手に、自らの肉体を縛り上げる。

それは一人亀甲縛りと男が呼ぶものであった。

汗が滴り、苦悶で唇が歪む。

最後の縄が食い込んだ。

男は、ついにやり終えた。

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