ツアー最終日〜ロンドン

ツアー最終日〜ロンドン



今までで一番大きな箱だ。

1万人超えの会場が、

それなりに埋め尽くされている。



アンコールに2回応え、最後の曲だ。

俺達Scream of No Nameの中では、最もセールスを上げている曲だ。


『Run』



バンドメンバーの一人を欠き、

同じスタジオのメンバーが協力してくれて、

ここまでどうにか来た。




「Ruuuuu−−−−−−−−−−n」


俺のがなり声から始まる。

観客もボルテージが上がっているのがわかる。


始終爆音の2分半程の曲だ。




曲の最後、


バスドラムとシンバルの連打

唸るギター

低音で轟くベース



「After The End Of The World」



ボーカルのシャウトで、一斉に演奏が止む。




腕の感覚は、もうない。

俺は、ドラムを最後まで叩けていたのか?

それさえわからない。



痩せ細ったアイツはどうしてる?




誰かが、俺を支えてステージの真ん中に連れていってくれる。


片手を上げて歓声に応えて、袖にはける。



そこで、俺の意識は完全に飛んだ。


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