第12話 帆船
そして翌朝も元気なアリアと走って港町を目指す。馬車が倒れているが用事があるので行かねばならないがアリアが足を止める。
「アリア!なぜ止まる?」
「ここで見過ごしてはガルシア家の恥なので!」
剣を渡すと、
「さっさと片付ける!」
「はい!」
盗賊は二十人程である。さっさと片付ける。
首を斬って回るがアリアの相手は少し強そうだな。
「アリアはワシと変わるのじゃ」
「はい!」
「なんだ小娘の次は小僧か?」
「地獄でもそういうんだな」
剣を振るって首を斬る。
そうして盗賊は倒した。
首をアイテムボックスに入れ冒険者証もいれる。
「アジトは潰さないんですか?」
「ワシたちにそんな余裕はないじゃろ?」
悔しそうにはいというアリアが気になったので、馬車を起こして見送ると、
「帰ってくるときに潰せばいいじゃろ?」
「…はい」
「今は急ぎだ!明日には船が出てしまう」
「わかっています。でも」
「もう聞ける人間が…おるな」
ちょうど草むらから出てきた盗賊がいた。
「お前らがやったのか」
「わしは気が立っておるでの」
目の前に行きパンチを五、六発ぶち込み動けなくしてやる。
「さぁ、アジトはどこじゃ?」
「さぁね」
「言わぬなら死ね」
「あ、あっち」
男が出てきた方角には獣道らしき道がある。
「アリアいくぞ!」
「はい!」
走ってその獣道を辿るとアジトらしきものが見えたのでそのまま突っ込んで盗賊達を皆殺しにする。
首と冒険者証をアイテムボックスに入れる。
アリアは囚われた人たちを労っていた、金品などを奪う様にアイテムボックスに入れると隠れていた盗賊にアリアが捕まってしまった。
「こいつが大事そうだあぢぢぢ」
アリアは火の魔法で自分で脱出して首を斬る。よーやる子じゃのぅ。
わしがアイテムボックスに首と冒険者証を入れてる間にアリアが先頭に獣道を戻る。
もちろん動けなくなっていた盗賊にトドメを刺して首をアイテムボックスに入れる。
さて、間に合わなかったら大事じゃぞ?
「次の街まで徒歩でいけるか?」
「護衛が必要です」
「はぁ、わしらが護衛じゃな!さっさと歩いて次の街に行くぞ」
食べ物を食べる休憩をとり元気が出たのかみな早歩きで次の街まで辿り着いた。
兵士に盗賊の首を渡して賞金は帰りに取りに来ると言ったら木札をくれたのでそれをアイテムボックスに入れて立ち去るのと同時に走り出す。
「すいません」
「気にするな!それよりも港町に着くのが先じゃ!」
なんとか夜には港町ウォーレンに到着し、アリアの名前を出すと入れてくれた。
デカい船があり潮風が懐かしく感じる。
夜でもこの賑わいじゃ、ごろつきもさぞ多かろう。
さっさと船着場に行こうとするとデカい男が俺の前に立つ。
「見ない顔だな?船着場にはなんの様だ?」
「明日の船に乗りたい!白の街に行く船だ」
「はっ!少しはやる様だがあの船は荒れるぞ」
「望むところじゃ」
「はぁ。言っても聞かないなら腕づくで」
「私はアリア・ガルシア!乗せない理由を言いなさい」
「ちっ!姫様かよ!じゃあ護衛はお前だけできたのか?」
「そうじゃ、さて乗せないわけには行かなくなったのぅ」
「しゃあねえ乗せてやるが自分の姫様は自分で守れよな!」
「あぁ!礼を言う」
「俺はバルだ」
「ヤオキだ」
強く握手をし会う。
「痛えな!本物かよ」
「本物とは?」
「お前が『黒の旅人』だろ?」
「さぁ?知らぬな」
「そう呼ばれているのよ」
大男は早速とばかりに酒を出してきたがわしは飲めんと言って断った。もちろんアリアも、
「ごくごくごく」
「飲んじゃ行かんじゃろ!」
「あら、これくらいは嗜みよ?」
「じゃが、まだ早い!宿に行くぞ!」
「それじゃあ明日な!」
「おう!」
宿屋に着くと説教した。
子供のうちに酒を飲むとどうなるのかを!
涙目で聞くアリアはハイとしか言わなかった。
次の日は船着場にいくともう大勢が動いていた。
「よぉ、遅かったじゃねーか!」
「そうか?すまんな」
「まぁいい、乗んなガルシア号だ」
自分の名前の船に乗るのに嬉しそうなアリア。
やはり近づくとよりデカく感じる帆船だ。
こいつで海を渡っていくのか。
「なんだビビっちまったか?」
「すごいなぁと感心していただけじゃ」
「海にも魔物がいるからな」
「ほうどうするんだ?」
「倒すしかあるめえよ」
だから大砲なんかがついているのか。
「まぁ。お前らは客室だ。余程のことがない限り出てくることはあるめえよ」
船に乗り込むとやはりワクワクするものだな。これで四日航海するわけだからな。
「帆をひらけぇー」
“ブァサァァ”
「さあ航海の始まりだ」
といっても何もない時は何もない、アリアが船酔いしているくらいで。荒れもしていない海は船を滑らせる様に走らせている。
“コンコン”
「ここらは安全だから外に出てもいいぜ?」
「アリアが船酔いでノゥ。ヒールも効かんのじゃ」
「そりゃ薬を持ってきてやるよ」
「すっごいわね!」
「わしはお前がすごいと思うたわい」
薬を飲むとケロッとして看板に上がるとこの調子だ。
「薬は秘伝の薬だからよく効くんだわ!でも過信しすぎてたらまたなるぜ!」
「そうか、ありがとのぅ」
「船長!右舷に水龍の陰が!」
「砲弾用意」
「どれ、手をかそう。ファイヤースピアー」
“ジュッ”
『ギャオオォォォ』
と水龍と呼ばれたのはデカい魚の魔物だった。魔法が当たって飛び跳ねてどこかへ消えてしまった。
「おお、魔法も使えるのかよ」
「たいていはな」
「それなら即戦力だ!危ないとこを通る時はまた頼むぜ」
「あい分かった」
アリアも海の景色を眺めている。こうしていればまだおとなしそうな可愛い子なのにな。
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