第24話 ラーグ奪還

西暦2032(令和14)年2月21日 ゾルシア共和国南部 パルタス州ラーグ市沖合


 就役から2週間が経過し、「むさし」は海上自衛隊の護衛艦隊や在日米軍第7艦隊、ゾルシア海軍の巡洋艦部隊とともに、ラーグ沖合に展開していた。


「「かが」より入電。敵航空機は全て殲滅したとの事です」


 船務長の報告を聞き、佐久間艦長は頷く。隣に立つ艦隊指揮官の西本にしもと海将補は、指示を出す。


「攻撃開始せよ。港湾部以外に展開する艦船全てを撃破し、制海権を掌握するのだ。直後に揚陸艦隊は付近の浜辺に対して上陸作戦を開始。地上部隊を突入させよ」


 命令一過、「むさし」を先頭に3隻の軍艦が前へ進む。両隣りにいるのはアメリカ海軍に属するアーレイバーク級ミサイル駆逐艦であり、艦隊護衛に徹する護衛艦の代わりに対地・対艦攻撃を担う事となっていた。


「先ずは露払いだ。SSM、発射始め」


 命令一過、中央部VLSより26式艦対艦誘導弾が矢継ぎ早に放たれる。そしてそれらは白煙を立ち上らせながら、空の向こうへと消えていった。


「命中を確認。被害は拡大しております」


「よし…押し込むぞ」

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