作家が自殺する理由 芥川龍之介のケースを司馬遼太郎が分析

 慶応義塾大学教授で文芸評論家の福田和也氏が作家はよく自殺するが、文学的理由で自殺する人は稀だと言う。


 ではなぜ自殺するか?


 理由は、自分の作品が売れなくなり、最後は働かなければならないのではないか? という経済的な心配で自殺するケースが最も多いと。


 司馬遼太郎氏は芥川龍之介も同じだと指摘する。


 芥川龍之介の自殺理由は「ぼんやりとした不安」と言われている。


 この「ぼんやりとした不安」は、当時、急激に広まりつつあった共産主義を指していると。


 芥川は天才であったゆえに、新しい時代が始まりつつある時代において自分が取り残されるかもしれないと悟ったと。


 社会人経験がなく、いきなり作家になった人にとっては、世の中でふつうに働いた経験がないため、仕事をしないといけない状況になることを恐怖に感じるという。


 これが有名作家で自殺する人が一定数いる理由だと。


(参考文献 加谷珪一 『お金持ちの教科書』 阪急コミュニケーションズ 2014年)


 作家になれても、経済的に安心できる基盤がないと幸せを感じにくいのかもしれない。

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