第2話 はじめてのダンジョン
扉を開けた先に広がっていた景色はあれだけ騒がれているネットやテレビの情報が嘘だと思ってしまうほど普段と変わりなかった
(さむっ。そういえばもう冬か。レベルみたいな概念があるのかわかんないけど、あいつらに会う前に強くなって驚かせたいよな)
調べた結果、この近くに一つダンジョンがあることがわかったので、向かってみた。
(やっぱ人多いな。この不自然に地面にある下に向かう階段の先がダンジョンか......。)
ダンジョンの入り口に集まった人たちが騒がしくしている。
『あの人たちこんな怪しいところに入って行ったけど大丈夫かな』
『もう死んだんじゃない?』
そんな話が聞こえた瞬間だった。
(足音?)
タッタッタッタッ
階段を駆け上ってくる音だった。
『助けてくれ!!』
階段を上がってきた20歳くらいの若者が大声で叫んだ
『あれ一人?』
『もしかして......』
ダンジョンの周りにいた人はさらに騒がしくなる
『助けてくれ!!兄貴が......兄貴が死んじまう』
当然のように誰も動かない
(まぁ、ここで助けようって人間はこんなところで集まって噂話を楽しんでないだろ)
「お兄さん。武器はなんですか?」
『え......。あ、俺はでかい剣だ。』
(大剣か......この中がどうなってるかわかんないが、その剣が振り回せるかどうかが問題か)
『まさか、助けに行く気なのか?』
入り口に集まっていた赤いチェックシャツのおじさんが話しかけてきた。
『この化け物がいるって言われてる謎の建物に自分から入ったんだぞ。自己責任じゃないか』
『助けに行く必要なんてない』
(なんだこの人?)
「その言葉俺じゃなくて、自分に言い聞かせているようにしか聞こえないですよ?」
「まるで、彼らの自己責任なんだから助けない自分は悪くないって」
話しかけてきた人は黙ってしまった。
「それに俺もここに入りに来たんです、正直一人では戦えない武器なんで一緒に来てくれる人できてラッキーだと思ってるんで止めなくていいですよ」
「そういうことなんで、俺も自己責任ですよ。だから、俺が死んでもあなたは責任を感じなくてもいいですよ」
話しかけてきた人が今度は下を向いた
『本当に一緒に来てくれるんすか!?』
(まぁ、問題はあるけど、ここまで言ったら断れないな)
「行きますか」
ダンジョンは想像通りのものであった。
『あの......。俺はリュウって言うっす。あなたの名前と武器はなんすか?』
「俺はアオ。そして、武器はこの杖ですよ。」
出して見せてあげた。すると、相手も武器を出してきた。
(それならここでも振り回せそうかな)
『本当にありがとうございます』
「大丈夫ですよ。入り口で言った通り、初めから入るつもりだったんで。それで、助けなければいけない人はどこに?」
『入ってすぐは何もないトンネルのような道を右に行ったり、真っすぐ進んでみたりしてたっすけど、突然青い線がでてきて、それを超えて少し歩いてたら突然曲がり角から出てきたんだ......化け物が』
「じゃあまずは、その青い線探しですね」
出てきた化け物やお互いの戦い方などの話をしながら進んでいると
『これっす。これが青い線っす』
「本当だ」
『でも、この青い線なんか違うような......?いや、何でもないっす』
(なんでフラグみたいなこと言ってんだよ)
天井から壁に行き床までまるで道を区切るように引かれた線
「行きましょうか」
『はい』
その数分後だった
『あ、あいつっす!。化け物!!』
化け物は身長1mほどの緑色の肌をした人型で手には身長と同じ位の長さの剣が握られていた
(話聞いた感じ想像できてたけど、やっぱゴブリンだよな!本当に変わったんだなこの世界。くぅ、テンション上がるなぁ)
「あいつまだこっちに気づいてない上にこっちに近づいて来てるんであいつがこの曲がり角まで来たところをやりましょう。」
『お、おう!』
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