第22話 グルメな鳥


 「日本のグルメは~っと…どれどれ」


 とある渡り鳥は日本に訪れていた。高い木の上で鳥は大きく羽根を広げると『バード必須!世界のグルメ集』と書かれた題名の雑誌を捲る。


 「オススメはお寿司!生の魚をご飯にのせた料理…!?美味しそう~!後はたこやきなんてものもあるのね!あとはあとは!?」


 鳥は雑誌を興奮し読み終えると足についている小さなポーチの中に入れ、一目散にバード専門店である料理屋へと向かう。


 お寿司を食べ、とある所でたこやきを食べ、そして天ぷらを平らげる。高い木で休憩を挟むと片手間に再びグルメ雑誌を広げる。


 「後はオススメ何があるかな~。ん……?」


 鳥はグルメ雑誌に書かれている『ラーメン』の文字が目に入り写真を見つめる。


 「これは絶対食べないように…?何でかな?逆に気になるから食べにいこう!」


 再び羽根を広げ空を駆け巡ると薄暗い路地にあるバード専門店のラーメン屋に訪れ注文をし麺をすする。


 「ん~!美味しい~!何で食べちゃダメなんだろう?こんなに美味しいのに!」


 麺を食べ終えると、鳥は味わいのあるスープを飲み干しカウンターに器をコトンッと置く。


 「それは当店自慢の鶏がらスープだからねぇ」


 そう亭主が呟くと鳥は空になった器を見つめたまま脳がフリーズし、動くまで暫く時間が掛かった。

 

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