【隙間時間で語る物語】ラノレアの頭の中で生きる者達~個性的な人物達は空想の中で自由に動く~

虹凛ラノレア

第1話 棺桶を愛する者


 とある吸血鬼は様々な棺桶を集めるマニアだった。


 もっとも、棺桶は直立型がオーソドックスではあるが棺桶マニアの吸血鬼はある時、腕だけ前に突き出すL字型の棺桶で寝たり。とある時はZ型で寝たり…と。


 「直立型の棺桶もオーソドックで良いが、この形もまた美しい!」


 様々な形の棺桶を楽しむ吸血鬼。しかし、マニアにとって物足らなさを感じる。


 「他の棺桶も欲しい!あの形は嫌だが…やはり新しい形は気になる!」


 十字架が弱点な吸血鬼は棺桶にとことん追求した挙句、次第には十字型まで購入し寝ていた。


 「この形の棺桶…ぎゃぁぁぁ!ハァハァ…新しい物は…美し…やっぱこの形は嫌だぁぁぁ!」


 十字形の棺桶で嬉しい反応やら嫌な反応を見せる吸血鬼。そして、再び眠りにつく。


 「ふ~。今日も棺桶の中は落ち着くな~」


 沢山の棺桶に囲まれ、吸血鬼は結局オーソドックスな直立型の中で眠りにつく。

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