第14話 家事

掃除の次は料理だ。

引き続き俺はカモミールさんの家で家事をする。

エルフって好き嫌いあるのかな?


「カモミールさん。食べられないものってありますか?」


「肉が無理だね。あと牛乳、チーズとかバターも。」


ベジタリアンってことでいいのかな。

エルフっぽい。


「野菜は何処にありますか?」

家の中を一通り見たが見当たらない。


「野菜は無いから買ってきて。お願いね。」


買い物用にとお財布を渡された。

俺は町に買い物に来ていた。



****



「あれ?ミライ…。」


遠くからでも分かる赤い髪。

市場でアンにバッタリ会った。


「何してるの?」


「お買い物、これ依頼なんだ。」

俺は買い物かごの中身を見せる。

色とりどりの野菜たちが籠の中に入っていた。


「野菜ばっかりだね。」

アンは家の買い物に来ていたらしい。


「肉が食べられないらしい。まあ人それぞれ…色々あるさ。」


「そっか。頑張ってね。」


最初は楽な依頼かな?と思っていたけど甘かったようだ。

手伝いじゃなくて、家事依頼でよかったのではないだろうか。




「戻りました。野菜は火を通した方がいいんですかね?」


俺はカモミールさんの家のキッチンに立つ。

「洗ってくれるだけでいいよ。適当に皿に載せてくれればいいから。」


野菜をボールに入れて洗う。

葉物野菜を敷いて、トマト?みたいなものを乗っけた。

適当と言われたが、手でちぎって食べやすくしてみた。

前の世界では、たまに自分用に料理を作っていたっけ。


茶色い木のお皿に葉物野菜の緑色と赤色、黄色が映える。


赤色はトマト、黄色はピーマンみたいだ。


「塩かけますか?」




「塩?ミライ面白いもの持ってるね。この町の人は、塩を食用にしようなんて発想はそもそも無いからね。いいよかけてみて?」


「あ、美味しいね。これは良い。」

好評だったようだ。


「君いいね…合格!」


「へ?」


「ミライしばらく家事やってくれないかな。依頼料は多めに払うから。一日1万でどうかな?」


え?えええ?


「有難いですけどいいんですか?」

正直嬉しい!

これで旅のお金が早く稼げそうだ。



****



「そっか!海、地図で見ればいいじゃないか。」


すっかり忘れていた。

家でぼーっとしていたら思い出した。

何処にあるかもわからない海。

はたして見えるものか?


普通に地図を出してみる。

空中に浮かぶフォログラム。

途中で途切れている。


見れる範囲が限られているようだ。

もしかして移動しないと見れないのかもしれない。

自分を中心に半径10キロメートルとか?


以前の世界ではスマホやPCで簡単に地図が見られたな。

知らない外国の風景も見れたり…。

そういえばギルドに地図って無いのだろうか?

今度行ったときに聞いてみよう。

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