家にまつわる奇妙な話

睡雅

   ー まえがき               睡雅

かなり昔に気まぐれに短編を一本だけ書いたことがありました。

居なくなった飼い猫を探す男の話。

8,000字くらいだったと思います。当時自分のHPを持っていたので(イラスト主流のサイトでした)、そのおまけコンテンツとしてアップしました。

特にコメントを貰えたわけでもなく、「ただ書いた」という薄ぼんやりとした記憶しか残っていません。


今回見様見真似で生まれて初めて長編ミステリーに挑戦している訳ですが、流石に舞台から登場人物、筋書きまで全てゼロから創作するのは難しい。

そのため題材として決めたのが〝空き家〟でした。


私が子供の頃に祖母が住んでいた家。空き家になってから二十年以上も形を保っていた家。すぐ近所だったせいもあって私はずっとその家を見続けてきました。

今では〝空き家〟と言うのは珍しくありません。田舎では暮らして行けずに家を捨てて都会へ出る人が増えました。親の世代が亡くなった後、誰も住まなくなった家はあっという間に朽ち果てて崩れていきます。長くても三年から五年程度。

それを思うと私は不思議でなりませんでした。

何故この家は朽ちていかないのか。少しづつ傷んできているとはいえ、誰も出入りさえしないのに、と。

当時の記憶を頼りに架空の人物を作り、〝空き家〟に関わらせる。


知らなければ平凡な人生を送るはずだった彼女の、「奇妙な」回顧録の顛末を楽しんでいただければと思います。

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