第9話 陰謀....?
それからは色々と大変だった。
俺がなぜ生きていたのか。俺は今までどうしていたのか。そこの女の人は誰なのか。
家族にも説明して、次の日にクラスメート、教師達にも説明した。
もちろん、他言無用ということも話しながら。
「そこの女の人は康輔の命の恩人ってことでいいの?」
「まぁそうだね」
クラスメイトには、リンがサキュバスだということは伏せておいた。
リンに迷惑はかけたくないし....。そして自分がアルミストであることも。
「てか魔法ってなんだよ‼︎羨ましすぎるだろ!」
というような、クラスメイト達からブーイングが飛んだ。
「あのなぁ.....お前らの超能力だって十分魔法のようなものだからな?」
「俺らにとっちゃ、超能力は普通だし....」
とクラスメイトの一人が言う。
「はぁ....まぁしょうがないんだ。これは才能なんだから諦めろ」
と俺は言った。そう言われたクラスメイト達はすごく不服そうな顔をして黙った。
そこでみんなの厨二心の熱は冷めるはず......だった
「いやまぁ、誰でも魔法はできるわよ?」
とリンが言わなければ。
リンが言ったこと....誰でも魔法はできるという発言で、冷めかけたみんなの厨二心に再度火がついてしまった。
「マジで⁉︎」
クラスメイトの一人が声を上げる。
「まぁ、コウスケのように全属性の魔法が使えるってわけじゃないんだけどね」
「....コウスケって全属性の魔法が使えるのか?」
......俺がわざと黙っていたことを....。
「....まぁ、使えるけど...」
と俺が肯定すると、
「ずるいぞ!」「そうよそうよ!」という再度ブーイングの嵐が俺を襲った。
なんとかみんなをなだめることに成功した。
「それから魔法を教えてくれ!」という声が殺到した。
しかし、俺は断固として教えるのを拒んだ。
理由はめんどくさいというのもあるが、一番は危険な目に合わせたくないというのがある。
「なんで教えてあげないの?」
「危険な目に合わせたくないからだ」
「危険な目ってどういうこと?」
「俺は伊達に2年間、魔法だけを覚えていたわけじゃない。俺らの世界についても考えていたんだ」
「この世界?」
「ああ。この前リンは<ワーリスト>に巻き込まれる人はいたって言ったじゃないか」
「まぁそうね。文献にもあったし...」
「そこで俺は考えた。意外と巻き込まれる人はいるのに、俺らの世界にはなぜ魔法という存在自体がないのか。そういう話自体聞かない」
「......」
「俺らが使った"ポータ"は、アイテムとしても存在しているってこの前話してくれたよな?だから、巻き込まれた人がこの世界に帰っていないのがおかしいんだ。そして帰ってきているならば、魔法というのがあってもおかしくはない。なのに、<あった>という話すらない。おかしいとは思わないか?」
「........そうね」
......??妙な間があった気がするけど、気のせいか。
「だから世界は何かしら隠していると思うんだ」
「ふーん」
まぁ、とりあえずは現世を堪能したい....と思う俺だった。
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