第15話

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 柾國まさくにとキスをしている写真を

 同僚たちに自慢げに見せる ひよ子


 そして、とうとう…


「あ、アミさん♡…てつさんも!」


 キタ━━(´°ω°)━━━!!!!

 よりによって、てっちゃんと…



「ちょっと、見てもらいたいものが♡」

 ニコニコしながら手招きされ



 事務所のド真ん中で

 見せられたスマホの画面…



「………っ…」


 まさくんと ひよ子は

 本当に…キスしてた……




「ひよ子、今…仕事中だから…」


 落ち着け…冷静に……



「あと、これは違う角度から撮って〜♡

 見てくださいよ…この写真も♡」



『……そんなの 見たくないっ!!!』



 パシッ…!!!


 目の前に出された

 スマホを持つひよ子の手を払い除け

 無視して歩き出す



「アミっ!!!!」

 哲の呼ぶ声にも振り向きもせずに

 事務所を出た



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



「……?」

 声のする方へ視線を向けると

 哲がアミを追って

 事務所を出ていくのが見えた


 柾國は、後を追った…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 〜会社の屋上〜


 怒りで熱くなった体を

 冷ますかのように 風が吹きつける


 はらわたが煮えくり返る……

 久々だわ、こんな気分…



「ふざけんなよっ…クソがっ!!!」・・・

 はぁ…はぁ…っ…


 大きくえた声も

 風に かき消された


 2人…目を瞑って

 唇を合わせていた写真



『はぁ〜

 さすがにきついなぁコレ…ハハッ…』


 いつの間にか 頬を濡らしていた



「アミっ!!!!」

 

 哲の声が聞こえ

 慌てて背中を向け ぬぐ


「…どうした?」


「……別に」


 拭いても拭いても

 容赦なく流れてくる涙…


 ダメだ…っ…止まらないよぉ…


「…っうぅ…見ないで…ぇ…っ…」


 打たれ強さNo.1の私が…

 こんなことで泣くなんて…


 哲は 背中を向けてるアミに回り込んで

 正面から優しく包んだ


 付き合ってた時にも

 涙の理由わけも聞かず

 泣き止むまで こうやって…

 頭をポンポンしてくれたことあったね…


「いいよ…アミ…」


 低くて優しい声がスイッチとなり

 堰を切ったように

 一気に涙が溢れてきた…


「ごめん…少しだけっ…ぅ…」




 その様子を

 遅れて屋上に着いた柾國が見ていた…



『どうして、哲の腕の中で

 泣いてるんだ?……どうして……』



 柾國は 静かに 屋上を後にした



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



『どうして…アイツと…』

 納得のいかない柾國…


 ホテルに行ったことを、まだ…


 あれは、理由があってのこと…

 やましい事は、何一つしてないっ!


 もっと こじれる前に

 早く何とかしないと…


 どうしようか考えながら歩いていると

 ひよ子の話し声が聞こえてきた…



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



「アキコ先輩!

 お見せしたいものがあって〜♡」


「…何、これ?」


「部長とキスしてる写真ですけどぉ♡」



 ・・・・・・・・・


『…は?キスだと?』

 柾國は、声の元へ急ぐ



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



「ひよ子、これ…ホント?」

 アキコが鋭く切り返した


「え?ホントですよ♡…(*´ ˘ `*)エヘヘ」


「あなた、部長とお付き合いしてるの?」


「あ、…いや、これからです!

 これから お付き合いを…(^∀^;)」

 ひよ子が慌てて話した時…



「キスした覚えは ないんだけど?」

 柾國が会話に割って入った



「ぶ、部長っ!!! ∑(°∀° )」


 驚いている ひよ子をよそに

 話を続ける柾國


「ホテルには、ひよ子が

 飲み過ぎて具合が悪いっていうから

 休むために入ったんだよな?」


「…はい…そ、そうです…」


「何も無かっただろっ!!…っ」


 柾國は ひよ子のスマホを取り上げ

 写真を確認した



「・・・・・・何だよ、これ・・・」



 写真を見て愕然とした



 記憶が無くなるまで飲んでいないから

 はっきり覚えている


 吐かせて…水を飲ませて

 ベッドにひよ子を寝かせ…

 帰るに帰れなくて…



「これ…俺がソファーで

 うたた寝している時か…」


 すぐ帰っていれば……

 こんなことには…


 ホテルに行ったことが悔やまれる



「合意の上では無い…ってことで

 いいわね?」

 アキコがひよ子に詰め寄ると


「……はい」

 顔も上げずにひよ子は返事をした

 

「私以外に この写真、誰かに見せた?」

 

「ユカ と マスミ…、あとは

 アミさんと哲さんにも…」



「……っ!…アミにも…見せたのか?」



 哲に抱きしめられ

 泣いていた元凶は これか…



「……はぁ…」

 ため息しか出ない



「部長、この写真を見た 4人には、

 私から虚偽だと伝えます!」



「…ありがとう、アキコさん」


 間髪入れずにアキコは

「ひよ子…」


「……はい」



「部長と私の目の前で

 今すぐ、その写真を削除しなさいっ!!!」

 厳しい口調で言った


「…っ…はい…」

 スマホを操作し、削除した


「削除フォルダ内も、完全削除っ!!!!」


「は、はいっ!!!!」




『アミに謝らないと…』


 柾國はアミの元へと急いだ



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 その頃、事務所では

 ひと泣きして戻っていたアミに

 じんが甘えた声で


「ねぇアミ〜♡仕事手伝ってよぉ〜

 このままだと俺、残業しちゃうよぉ〜」



「…ムリです」



「工エエェェ(´д`)ェェエエ工

 じゃあ、しゅん 手伝ってぇ〜♡」



「じゃあ、俊…って言い方、嫌だなぁ〜

 俺、別の案件あるので 無理っす」



「工エエェェ(´д`)ェェエエ工

 だったら、哲…!」



「……( '-' )シーン」



「哲!…無視かよっ!!!!」



「(*°∀°)・∴ブハッ!! 仁くん…ドンマイ!!!!」



「仁くんって言うな!!!!」


 短い間に てっちゃんとも

 仲良くなっちゃって

 結構おもろい((´∀`*))

 嫌なことを忘れられる…


「仕方ないですね、

 ちょっちだけ手伝いますよ!」


「ちょっちって言うな!!!!」



「アミ…」

 哲が話しかける


「…ん?」


「さっき、胸貸してあげたからさ…

 今晩 飯付き合って?(ボソッ)」


「何、その交換条件…(ノ∀≦。)アハハ」



 "哲の誘いは 断れ"…

 まさくんの言葉が脳裏をかすめる


 ん〜…( *¯−¯ * )


 …でも、あっちだって

 ホテルでチッスしてたんだ!

 ご飯行くぐらい 可愛いもんでしょ!



 事務所に戻ってきた柾國は

 その誘いの返事に迷っている

 アミを見ていた


『まさか…行くって言わないよな…っ』


 アミは、チラッと柾國の方見て…

 哲に返事をした



「いいよ、行こうd(´∀`*)」



『…はあぁ?!…あいつ!(`Д´)チッ!!!!』



「アミ、ちょっと…」


 柾國はアミを会議室に呼び出した



 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 〜会議室〜


「何ですか?…私忙しいんですけど…」


「話があるから…

 今晩、アミの部屋に行く」


「申し訳ありません…

 今晩、予定が入りました…

 あ!帰りはになるかと…」


 嫌味を盛られた



アイツの誘いは断れって言ったよな?」



「はぁ?‎(꒪⌓꒪ ).......

 他のオンナとホテル行って

 キスしてる人に言われたくないです!!

 失礼します!!」

 スタスタ((((((*`□´*)



 バタンっ…


 アミは出て行った…


「はぁ…(。´-д-)…めちゃくちゃ怒ってる」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る