第3話転生者代理

『すみません!急で悪い……あ、に、逃げないでくださいいい!!』


誰だって目の前にピカピカ輝く変人が現れたら逃げるだろう。

むしろ逃げない人を教えてくれ。


30km程逃げたあと、それでもへとへとになりながら着いてくるその魂胆に私は少しだけ感動したので話を聞いてあげることにした。


『はあ……はあ……ぜぇ……ゔ……やばい中のものが出そう……あ、ありがとうございます……お水……待ってくださいこの水はどこから?!』


「ん?大気から作ったが。何か?」


──────三分後


どうやら落ち着いたようで女神が語り始める。


『その……実は……』/以下省略……長いので訳して纏めました。


この世界には5つの国がある。

「剣と魔法の国、アルメリア共和国」……つまりここ。

「信仰と法の国、ルルナル法皇国」

「武と妖術の国、ハモン武道国」

「獣と戦乱の国、ガルシア獣王国」

そして、「、プロシオン帝国」

あとは、魔族の国も一応あるらしいが、そこはまあおいおいね。


……そして2日ほど前、「転生者分配の儀」

と呼ばれる物が行われていたそう。

……「転生者分配の儀」は、かつて異世界からのありえないほどの力を持った転生者と呼ばれる存在がこの世界に降り立ち、破壊の限りを尽くした。

彼等を味方に加えたものたちは他の国を荒らしに荒らして、その結果この世界は悲惨な結果になってしまったという。


その教訓として、全ての国が同じだけの戦力を有することで世界全体の均衡を維持しようというのが5つの国で取り決められた。


その為の分配の儀。という訳らしい。


それで、話によると今回、このアルメリア共和国が転生者を1人も獲得できなかったのだとか。


……なんとこの会議の直前に王様が暗殺されてしまい、そのゴタゴタのせいで優秀な転生者を取れず、それどころかその転生者たちすら他の国に着いてしまったのだとか。


……で。なんで私のところに来たのかと言うと……私がこのアルメリア共和国に存在する唯一の転生者だからだそうである。


……「で?……だからなぜ私が君たちの会議に出席しなければいけない?…」

そんな会議、絶対面倒事を押し付けられる立場だ。絶対にお断りさせて頂かなくては。


私の安寧のためにも。


……そんな目でこっちを見るな。いやダメだからね、そんなうるうるとした目で……


──────結局私は押し切られてしまった。


異世界の女神と言うやつはどうも私の性格と相性が悪いようだ……はぁ


仕方ない。そう思いながら私は女神に言われた場所に行きアルメリア共和国の現王様に会うことにした。


…………まだ8歳位の少年だった。……


なるほど、これは惨い。おそらく前の国王が後継者を作る前になくなってしまったのだろう。はたまたそれも誰かの策略だった……のかもしれないが。


それでも、共和国という複数の国を率いる王として8歳ばかしの少年にすべての責任を押し付けるのは流石に私とて可哀想と言う気持ちになる。


「あなた様が……わたしに使えてくださるひとでしょうか?……その、頼りないかもしれないわたしを見捨てないで欲しいです」


……「王よ私はあなたをしっかりとお守り致しましょう。宇宙最強の名にかけて」


私は確かに安寧を求めていた。しかし、少なくとも今この世界に存在しているその問題を解決しないことには真の安寧は訪れない……そんな予感があった。

それは不透明で不確かな話、などでは無い。私の最終定理ラストアンサーという能力が導き出したひとつの答えであった



「それで、その実は……会議が明日あるのです……そこに一緒に来てもらえないですか?」


……「会議?でしょうか……」


ふむ、何やら嫌な予感がする。それこそ前の王様を殺した派閥が動き出しそうな予感がする。


……ふむ、これもまたなにかの縁だ。助けてあげるとしますか。

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