第2話 過酷

 次の日も、いつ終わるかもわからない戦場へと駆り出される日々。

 周りに転がる黒焦げになっている仲間だった亡骸なきがらと敵だった亡骸。

 少し遠くを見れば、頭だけが転がっていたり、腕のみ片足のみが転がっている場所もある。


「この臭いは、いつまで経っても慣れないな……」

「たしかにな、けど……前線じゃない分まだましだぜ!」

 ロキの独り言にライが返事を返しながら、ライフルで敵の一人を撃ち抜いた。


「……!?なぁ、少しおかしくないか?」

 弾を装填し終わったロキが違和感を感じて、周りを注意をしながらライに問いかける。

「どうした?」

「敵の数が思った以上に少ないように感じるんだか、どう思う?」

「……!?」


 ロキに言われて辺りを観察したライがその異変の正体の何かに気付いた。

 およそ、十倍以上の戦力差がある相手がこんな人数で迂回ルートに回って来ること事態が違和感の正体であった。

「やべぇ……もしかしたら……」

「陽動!」

「かもしれないな!」


「指揮官は気付いてるのかどうか怪しいな……」

「俺たちの班を二名下がらせて、調べさせるか?」

「予想通りなら、罰せられずに済むが……もし、間違ってたら全員メシ抜きにされるな!」


「しゃーねえ、R班集合!」

 自分たちの一存で決められないために、ライは班のみんなを近くに集めさせる。

「なんだよ、こんなときに!」

「わりぃ、ネロそれとサイとカイも」

「ライがサブ長だから、文句は言わないけど何かあったのか?」

「そうなんだよカイ!」


 ロキとライが感じた違和感を三人の班員に伝えるため、ロキが説明した。

「──って事で俺たちは、これが陽動だと思うんだ、だから、二人下がって調べて来て欲しいと思う!」


 ロキの一通りの説明で、どうするか考える事にした五人。

「サイは、どうしたい?」

 黙って話を聞いていたサイにカイが声をかける。

「そうだな、確かに一度戻って確認するのは良い判断だと思うが……」

「思うが?」

「カイ兄さん、指揮官に何も言わずに下がるのは、やはり不味いと思うんだ!」

「そうだな」


 (ココで口論していても時間の無駄だな……しょうがない)

「……隊長命令でカイとサイには、下がって調査を命じる」

 ロキが悩んだ末に、二人に調査を命じて下がらせた。


               続く

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