契約彼女は初恋幼馴染を見返したい~間違いだらけな俺達のアオハルレコード~

御都米ライハ

プロローグ

プロローグ 届かなかった恋する気持ち

 好きな人がいる。

 うんと小さなころから好きな人がいる。

 ずっとずっと憧れて、手を伸ばし続けるほど好きな人がいる。

 好きで、好きで、好きで、胸が苦しいくらいに思いを募らせて、その人の隣に相応しい人になれるように、その人に好きになってもらえるように努力をし続けた、し続けてきた。

 髪型やファッションは勿論のこと、運動、勉強、趣味、果てはスタイルや性格まで。

 変えられるものは何でも変えた。人前に立つのが怖くても足の震えを押し殺し、毎朝起きて走るのが辛くても自分の気持ちを奮い立たせて、自分を変える努力をしてきた。

 あの人に好きになってもらえるように、あの人に選ばれる女の子になれるように。

 だけど知らないうちに、あの人の隣には見知らぬ誰かが、ぽっと出の誰かが並び立っていた。埋めるはずだったパズルの欠けた部分は、違う形のピースに埋められてしまった。

 伸ばした手は届かなくて、思いは果たされなくて、努力は報われなかった。今此処に在るのは、磨いたけど使い道がなくなってしまった宝石のような自分だけ。

 

 ねぇ、だから、だとしたら。

 宙ぶらりんになったアタシの好きは、何処へ行けば良いの?

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