服が透けるメガネVSエイリアン

山本貫太

プロローグ・幼馴染を丸裸!?

おっぱいが見たかった。

誰でもいいってわけじゃない。それこそスマホを叩けば、おっぱいなんぞ無限に出てくる時代。その価値は日に日に下落している。だからこそ大切な唯一人、この人だと心に決めた相手のおっぱいこそ至高なのである。……何を熱く語っているのだろうね、おれは。


何はともあれ、おれが見たいのは幼馴染「田中ミノリ」のおっぱいだ。齢16にしては実りすぎている、手が3本あっても揉み尽くせないような豊満な果実をこの目で見たい。もっと言うのならば乳首も。どんな形だって、色だっていい。


本来ならお付き合いをして、いいムードを作って、間接照明だけ灯る部屋の隅で「いいよ……」と言われてから見るのが正道だろう。


しかし、おれにはチートアイテム“服が透けるメガネ”がある。男のロマンと一握りの女のロマンが詰め込まれた、誰もが一度は掛けたくなる逸品だ。本当にこんなものをミノリに対して使っていいのか散々……それこそ5秒は悩んだけれど、自分の欲には抗えなかった。どのような経緯でこのメガネを手に入れたのかは割愛するけれど、効果は実証済みだ。


「たっくん、メガネデビューしたの?」


絶好のチャンスが訪れた。わざわざ自席で悶々としているおれに話しかけてくれるとは。神様も「見ちゃえ見ちゃえ」と後押ししてくれているに違いない。

大いなる期待を瞳の奥に隠しながら、おれは顔を上げ、ミノリのおっぱいを凝視した。


「……は?」

「なに?」


おれの目に映っているのはヌルヌルとしたトカゲのような、細かい鱗に覆われた二つの黒々とした大きな膨らみ。それは明らかに人間の皮膚ではなかった。


「……エイリアン?」


瞬間、幼馴染の顔から笑顔が消えた。風もないのにボブカットの髪が舞い上がり、瞳の色が赤黒く沈んでいく。


全国の男子諸君、および、好奇心旺盛な女子の皆様。これは忠告だ。服が透けるメガネがあったとしても、掛けちゃいけない。


大切な日常を壊したくないのなら――。



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