第12話真白との2度目の出会い

ゲームセンターに着いた俺は、この前は色々あってあまり遊べてなかったこともあり、初めは音ゲーから始まり、メダルゲー、格ゲー、レースゲー、そして最後にクレーンゲームで特に知らないアニメのキャラのフィギュアやぬいぐるみを乱獲しまくっていた。


そうして少し大きめの袋2つ分の景品を取った俺は、現在進行形で後悔していた。


「……これどうしよう」


そう、これとは今まさに俺の両手にある今取ったばかりの景品達の事である。


ほとんどのみんなはクレーンゲームを景品目当てでやるとは思うのだが、俺はクレーンゲームをゲームとしてやっている為ぶっちゃけ景品には興味が無い、どころか正直家に要らないものを置きたくない俺からすれば、逆に要らないまである。


だからと言って捨てるわけにもいかないし、売るのも何だか転売ヤーみたいで嫌だし……

前までは事務所に持って行っていたのだが、マネージャーに邪魔と一言言われてからは、それも出来ず要らない景品達はゴミ置き場という名の部屋に山積みされている。


「誰かにあげれたらいいんだけどな……」


若干荷物の重さにいや〜な気持ちになっていると、背後から想像もしてなかった人物から声をかけられた。


「あ、もしかして夏樹さんですか?」


いきなり声をかけられ一瞬驚き肩を跳ね上がらせたが、ゆっくりとその声のした方へと振り返るとそこには、こんな場所には見合わない私服姿の真白さんがそこに居た。


「あ、え、えっと真白さんがどうしてこんな場所に?」


一瞬真昼ちゃんの付き添いかな?と思い軽く周りを見渡してみたのだが、真昼ちゃんの姿はどこにもなかった。


「名前覚えてくださったんですね」

「あ、はい……」

「それで夏樹さん」

「ど、どうかしましたか?」

「実はこの前のお礼をしたくてずっと探してたんです」

「そうなんですね……」


真白さんがわざわざ俺を探してた!?

その事に俺は内心ドキドキした。


「それで何ですけど……」

「は、はい」

「出来ればお礼に家に来てくれませんか?真昼もまた夏樹さんに会いたがってましたし」

「は、はい…………………はい?はいぃぃぃ!!!!!」


そんな訳で俺は真白さんの家に向かう事になってしまった。

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