第9話仲間だと思ってたのに!vtuber詐欺だ!

夕凪真白の配信を見て不安に思った夏樹は、過去の真白のアーカイブを見直して1つ分かったことがあった。


夕凪真白はスーパーニートゲーマーを自称し、更には初配信ではゲーム全般が得意と話していたにも関わらず、ゲームがど下手くそだと言うことを


「これじゃあスーパーニートゲーマーじゃ無くて、ただのスーパーニートじゃねぇか!」


いやスーパーニートも意味わかんないけどさ……


「まぁゲームの腕前ブロンズとコミュニケーション能力ブロンズでブロンズ同士仲良く…………出来るかな?」


少し心配になりながらも、俺は夕凪さんの直した方がいいところを過去のアーカイブを見ながらメモ帳に書き写した。



それから2日後……


夕凪さんとのコーチング練習当日がやってきてしまった。


そして当日の朝から俺は緊張のせいか、自分の部屋とトイレを何度も何度も往復していた。


「痛たたたた……」


はぁ……やだな〜

緊張するな〜

やっぱり無しとか無理かな……無理だよな〜


何であの時の俺はコーチング依頼受けたんだよ!

過去の俺のバカ!


「………………はぁ。戻るか」


そんな訳でトイレから戻り自分の部屋へと戻った俺は、夕凪さんから大体1時間ほど前に招待されていた通話ルームへと入った。




「あっ、ナツキングさん!」


そう俺が通話に入って来たことに気が付き声をかけてくれた夕凪さんは、配信のクールな口調では無く元気いっぱいの声で声をかけてくれた。


「あ……………………ども。」

「初めまして、私Gプロ……えっとGAMEプロジェクトって言うvtuber事務所所属のスーパーニートゲーマーの夕凪真白って言います。今回のコーチング受けてくださりありがとうございます!」

「あっ、ナツキング…………です。」


騙された!

配信だとクール系だったから絶対俺と同じであんまり人と話すのが好きじゃないと思ってたのに!

普通に、と言うか何なら配信の時より喋ってるじゃん!


「あ、あの……」

「はい、どうかしましたか?」

「あっいえ、なんか……配信と違うなって……………思って。あ、すいません!失礼でしたよね?」

「いえいえ大丈夫です。それにこう言うのって普通じゃ無いですか?」

「へ、へ〜そうなんですね……」


vtuberってそうだったんだ、全然知らなかった……

てっきり皆んな素で配信してると思ってた。


「そ、それじゃあ……早速だけど、練習しようか」

「はい、頑張ります!」


そうして俺と夕凪さんとのコーチング練習は始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る