10話。

 以前の私に比べて現状が出来過ぎているせいか、余り現実味がない。一体を使役するだけでも目撃情報があった各地を探し回り、骸骨スケルトン達を率いて何体も犠牲を出しながらようやく、といった苦労をしていた骸骨騎士スケルトン・ナイトが一個小隊。そして極めつけの骸骨将軍スケルトン・ジェネラル。素晴らしい。以前の私に教えたら間違いなく今の私のことを呪うだろう。一頻り呪い終わってから、スケルトン達について新たに分かったことを聞き出そうとするかもしれない。それくらい恵まれた状況にある。


 ダンジョンの入り口を設けるにあたって一番の心配だった戦力は十分整った。さあ、いざ新世界。と入り口の新設に取り掛かろうとしたところ、オリゴスから階層の拡張について提案をされた。内容としては現在切り開いた古戦場跡のような箇所をオリゴスと精鋭達が守る最後の砦という形にして、そこにたどり着くまでに道や別に部屋を作り、罠を設置したり斥候のような形で骸骨スケルトンを配置、場合によっては骸骨騎士スケルトン・ナイトも配置してはどうかというものだった。う~む、余りにもまっとうな意見で自分でも驚いている。確かにダンジョンと呼ばれるここに入ってすぐに骸骨将軍スケルトン・ジェネラルことオリゴスが率いる骸骨騎士スケルトン・ナイトの集団に襲い掛かられては侵入者は一たまりもないだろう。彼らが侵入者を蹂躙する様子を見たい気持ちもあるが、そこにはが一切ない。折角手に入れた力をただただ振り翳すのは素人のやることだ。大事なのはそれを如何に活用するかということ。早速私はオリゴスの進言を聞き入れる旨を伝え、ついでにオリゴスのことをしっかり褒めながら階層の整備に取り掛かる。褒められたオリゴスは心なしか満足そうであった。


 入り口がどこに繋がるかわからない以上、入り口側から考えるのはやめておこう。となると古戦場跡からだが……そうだな、古戦場跡のある丘に向かって登っていくような形にするか?なぜかは知らないが多少の傾斜や高低差は作れるらしいから丘くらいなら再現できるだろうか。なら幾つか古戦場跡までのルートを作った上で、道中に如何にも「何かある」と思わせぶりな小空間も幾つか見繕って……。ふっふっふ、楽しくなってきたぞ。


 折角だから骸骨騎士スケルトン・ナイトによる小手調べができる場所も用意しておくか。いざとなれば退避ができるように隠し通路も用意して、侵入者に辿られると面倒だから時間があれば復活できる不死アンデッドのみが使用できる方法にしよう。どんな方法が良いだろうか。人間では到底通れない針山の道?痛覚のない不死アンデッドならば躊躇なく進むことができるだろう。それとも私の操作次第で壁に挟まれる道?復活するのだから肉体が粉砕されようが死ぬのは侵入者だけとなるだろう。実に悩ましい。いや、一個に絞る必要はないのか。それぞれのルートで別の仕様に分ければいい。よし、そうと決まればすぐに取り掛かろう。誰が来るかは知らないが、歓迎の準備をしなければ。




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連休を趣味に使っていたらいつの間にか最初の目標だった1000PV達成してました……!

数日更新もなく、なんとも気の抜けた達成でしたが……始まったばかりの拙作を読んで頂きありがとうございます!


応援、評価をしてくれた皆様、拙作を読んで頂いた皆様、ありがとうございました!

自分が好きな要素を詰め込んだだけの作品ですが今後も楽しんで読んで貰えると嬉しいです!

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