第18話

屋敷に着くと、メイドさんが出迎えてくれた。

「おかえりなさいませ!ヨウイチ様!」

「今日は依頼を受けずに帰ってきてしまいました・・・」

「かしこまりました!では、お部屋の方にご案内しますね!」

(なんか、申し訳ないな・・・)

部屋に着き少し休憩していると、メイドさんが話しかけてきた。

「ヨウイチ様、昼食の準備はできてますが、どうされますか?」

(え?あーもうそんな時間か・・・)

「そうですね!せっかくなのでいただきます!」

「かしこまりました!では、食堂の方でお待ちくださいね!」

「ありがとうございます!他のメンバーはいないので、メイドさん達も一緒に食べましょう!」

「え?よろしいのですか??」

「はい!せっかくなので、一緒に食べましょう!」

(なんか、誘っておいてあれだけど、メイドさんとの食事って緊張するな・・・)

昼食をメイドさん達と一緒に食べ、食後に紅茶をいただいた。

「この紅茶、美味しいですね!」

「ありがとうございます!これは、王都で人気の茶葉なんですよ!」

(うん!確かに美味しいな・・・)

「ヨウイチ様、この後はどうされますか?」

「そうですね・・・少し部屋でゆっくりしようと思います!」

(今日は依頼を受けていないから、屋敷でのんびりしようかな・・・)

「もし、ヨウイチ様がよろしければですが・・・お疲れのご様子ですし、マッサージなどいかがですか?」

(え?マッサージ??)

「ヨウイチ様、いかがでしょうか?」

(うーん・・・でも、せっかくだしお願いしようかな!)

「じゃあ、お願いします!」

「かしこまりました!では、準備をしてまいりますのでお部屋で少々お待ちくださいね!準備次第、すぐに向かいます。」

「はい!」

(なんか、メイドさんがいると至れり尽くせりだな・・・)

そして、部屋で待っているとノックの音が聞こえた。

コンコン!

(ん?来たかな??)

扉を開けると、メイドさんが2人いた。

「ヨウイチ様、おまたせいたしました!」

「あ、はい!」

(え?2人??)

「では、ヨウイチ様!ベッドにうつ伏せになっていただけますか?」

(なんか、緊張するな・・・)

俺は、ベッドに乗りうつ伏せになった。

すると、頭と太ももに柔らかい感触が伝わってきた。

(ん?なんだこれ??)

「それでは始めますね!」

「ヨウイチ様、力加減はいかがでしょうか?」

(うーん・・・気持ちいいな・・・って違う!!なにしてるんだ俺?!)

慌てて起き上がった。

「あの!これって・・・」

俺が質問しようとすると、メイドさんが話しかけてきた。

「ヨウイチ様?どうかされましたか?」

(え?なんか、普通だな・・・)

「・・・いえ!なんでもないです!」

(まぁ、いいか・・・気持ちいいし!!)

そして、俺はしばらくそのままマッサージを受け眠ってしまっていた。

「ヨウイチ様、ヨウイチ様、お休みの所すみません。マッサージ終わりました。お疲れ様でした!」

(ん・・・寝ていた?・・・でも、気持ちよかったな!)

「あ、ありがとうございました。」

俺はベッドから起き上がった。

「では、私たちは失礼しますね!」

「・・・あ!ちょっと待ってください!!」

(ん?なにしてるんだ俺は??)

メイドさんを呼び止めてからあることをお願いした。

「あの・・・よかったら、またマッサージをお願いしてもいいですか?」

すると、メイドさんが笑顔で答えてくれた。

「はい!もちろんです!」

(なんか、いい人だな・・・)

そして、俺は晩飯も終え、ベッドの上でゴロゴロしていた。

(うーん・・・それにしてもマッサージ気持ちよかったな!メイドさんのマッサージって、みんなあんな感じなのかな?肩とかすごく軽いや。)

そして、俺はそのまま眠りについてしまった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


一方その頃、業務の終えたメイドの2人は自分達の部屋で悶えていた。

(あぁ・・・今日もヨウイチ様最高でしたわ!)

ベッドの上で転がりながら2人で話していた。

「もう!なんで、あんなに可愛いのかしら!!王城にいる威張って生意気なガキとは全然違うわ!!」

「ほんとよね!あんな可愛い少年が、国王様との謁見をこなすなんて・・・」

「それに、メイドさん達といると緊張するからって、自分の部屋で1人でくつろぐ姿も・・・こっそり見ていたらベッドの上でコロコロしていたんですよ!」

「今日は昼食も一緒に食べれて幸せだったわ!」

「でも、今日のマッサージはちょっとやりすぎちゃったわね!」

「ヨウイチ様ったら寝ちゃうんだもの!」

「寝顔も可愛かったわね!尊かったわ~」

「そうね!ヨウイチ様は可愛いから、マッサージしてた時は理性を保つのが大変だったわよ!!」

((はぁ・・・癒される・・・明日も頑張れそうだわ・・・))

ヨウイチ推しの2人は幸せな気持ちで眠りについた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


翌朝、俺はいつも通りに目が覚めた。

いつも通りだが、マッサージ効果なのか目覚めはスッキリしていた。

(うーん・・・よく寝たな!!)

ベッドから起き上がり、食堂に向かった。

「おはよう!」

「あら、ヨウイチ君おはよう!よく眠れた?」

「ああ!よく眠れたよ!」

「ヨウイチ様、おはようございます!朝食の用意をしますね!」

そして、みんなで朝食を食べてからギルドに向かった。

ギルドに到着し、俺達はさっそく依頼書が貼ってある掲示板に向かった。

(さてと・・・どれにするかな?)

すると、メイさんが声をかけてきた。

「ヨウイチさん!おはようございます!今日は、こちらの依頼を受けてみませんか?ヨウイチさんのパーティであればちょうどいい依頼だと思うのですが。」

メイさんが指さした依頼書を見ると、『洞窟に住み着いたゴブリンの討伐』と書かれていた。

「あの・・・この依頼って・・・」

すると、メイさんが笑顔で答えてくれた。

「はい!以前ヨウイチさんが受けた依頼と同じです!場所は違うんですけどね。洞窟近隣の村からの支援要請です!」

(やっぱりそうか!どうしよう?)

「ヨウイチさん、この依頼はゴブリンの討伐なので、ヨウイチさんのパーティの女性の方々でも大丈夫だと思います!」

(うーん・・・でもなんか、この依頼って嫌な予感がするんだよな・・・)

俺が困っていると、他のメンバーが声をかけてきた。

「ヨウイチ君どうしたの?」

「ああ、この依頼を受けてもいいのかなと思って・・・」

(なんかみんなやる気だしな・・・)

すると、メイさんが笑顔で答えた。

「大丈夫ですよ!それにもし危なくても、ヨウイチさんが守ってあげるのでしょう?洞窟で勝手は違うかもしれませんが、ホブゴブリンを倒せるヨウイチさんなら大丈夫です!!」

「え?まぁ、そうだけど・・・うん、そうだね、この依頼受けます!」

そして、俺達は『洞窟に住み着いたゴブリンの討伐』の依頼を受けた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

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