第42話 カッコいいやん

 マーチングの全国に行ったから、次はコンクールの全国を見てみたいな。

 ふとそう考えずに言ってから、画面に向かっていや、金賞団体集を見てみたいなっていや、前年大阪府大会銅賞の実力にいう物でもなかった。


 リハビリの先生は大柄なおばちゃん先生だ。休憩中によく話す。

「窓を拭いてトイレ洗って?」


「勉強して先生の弁当買いにいって、マーチングの練習準備とけが人の手当と軽い熱中症の介抱」


「ますます楽器関係ないやん」

 クスクスと笑われるのが絶妙に気持ちいい。


「その部活動にいることが実は嫌で喘息言い訳にして、ずっと辞めるタイミング見てました。怖かっただけなんです。逃げるのを指摘されることが、それで後輩の下敷きになってコンテストの三日前に強行出場決めて、あの瞬間がめちゃくちゃ気持ち良かったです。結局、事故でまた骨折して迷惑かけて、親からもこのまま退学すすめられてます」


「私ね、光君の全部は知らんけど、カッコいいやん。強行出場も誰に事故されたかも言ってないんやろ。うっかりよろけたって言ったんやろ。すごいやんカッコいいやん」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る