そうだ、扉を閉めよう

 あなたは慌てて扉をしめた。地獄に連れて行かれる。そう本能で感じたからだ。


 一緒に乗っている者もあなたの考えに察したのか、一緒に手伝ってくれる。


 鬼は扉を開けようとしてくる。ひとり、ふたりと鬼の人数が増えていき、あなたたちは力に負けて、観覧車の扉が外された。


 鬼たちはあなたたちを観覧車から引きずり出した。


 大きな手で頭を掴んで地面に引きずられる。ごつごつした岩肌があなたの体を傷つける。


 そしてあなたの体は持ち上げられた。すぐ側には赤々としたマグマがある。鬼はあなたをそこに放り込もうとしていた。


 あなたは天を見上げながら絶望に包まれた。その時、空高い天井から、あなたを見ている者がいた。裸の男。その者も青ざめた表情であなたを見ている。あなたはその人に助けを求めようとしたが遅かった。


 あなたは灼熱のマグマの中で意識を閉ざした。



 ★ END 地獄へようこそ ★

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