第23話 ナジュラの正体

早速族長の元に行き旅立ちの許可をもらう事になった


「やはり行くのか…」


「はい!この人達の役に立ちたいのです!」


「決心は固いようじゃな…わかった…旅立つが良いナジェバラムよ!世界を再び見てくるが良い!」


「今…なんて?ナジェバラムだって?!」


「??」


リンダルトはナジュラの正体を知り驚いた


セリスはその手の話は疎いようで混乱していた



ナジェバラムとはひと昔前に各国の闘技場に現れては優勝を攫っていた人物で闘技場荒らしと呼ばれていたのだった


当時のリンダルトは武者修行の真っ最中で行く先々で彼の名を聞いていたので覚えていたのだった


「リンちゃんの噂も俺の耳に入っていてね〜いつか会ってみたいと思っていたんだよ!」


「そう言う事だから僕の訓練を買って出たんだな?」


「ああ…と言う訳で改めて宜しくな!」


「「宜しくお願いします」」



こうして新たな強力な団員ナジュラを加えてリンダルト達は王都へ帰還する事になったのだった


行く途中で訓練も続けながら互いの力を高めながら…


「姫…どうかご無事で…」


リンダルトはそう呟いた



王都へ着く頃にはどうにか力の制御を完璧に近い形にする事が出来たリンダルトだった



騎士団の宿舎に着くと皆大忙しの様子で混乱の真っ最中だった


「待たせたようだな!済まない…こんな事になるなんて…」


「団長!おかえりなさい!そちらの方は?」


ナジュラを見た団員達は目を白黒させた


「俺の名はナジェバラムだ!ナジュラって呼んでくれ」


一同ざわめきだった


「ナジェバラムってあの?」


「そそ…そのナジェバラムだよ」


「闘技場荒らしが仲間になっただと?!」


「マジかよ!ヤベェな」



反応は各々だったが終始歓迎ムードだった



「さて状況を知りたい…会議するぞ!」



リンダルトは全員を集めて会議を始めた



どうやらガルダ教は王都のあちこちに出没しているらしくどこから入り込んでいるのかわからないらしい


「八方塞がりか…この感じだと父上も振り回されているだろう」



そこへバスクオムがやって来た


「大変な事になったみたいだな…奴等これを狙っていたのか…」


「ああ…おそらくもう王宮にも入り込んでいる可能性が高いな!」


自身のその言葉にハッとしたリンダルトは急に走り出した



その足は王宮のある場所に向かって真っ直ぐなりふり構わず進んで行った



どうか間に合ってくれ…


そう祈りながらリンダルトは町の中を走っていた








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