22

リビングに着くとエーミルがこちらを見て

「準備するからそこで座ってな」

とテーブルのイスを指差しながら言ってきたので俺は言われた通り座る事にした。


しばらく待っているとエーミルが空のコップ2つ運んでテーブルに置くと自信に満ちた顔をして

「見てな」

と言うと手をコップの上にかざしす、するとすぐに水が手のひらから出てきてコップの中を満たす、その光景を見て俺は思わず

「すげー」

と声を出してしまうとエーミルはドヤ顔をしながら

「凄いだろう、まあこれくらいなら朝飯前さ」

と言ってきたので俺は興味本位に

「他にどんな魔法を使えるんだ」

と聞くとよくぞ聞いてきましたと言わんばかりの顔で

「他にはな、洗濯物を乾かす為の風呪文使えるぞ」

「その歳ですげーな」

と子供っぽい感想を述べてしまう、するとエーミルは少し残念そうな顔して

「でもさ、その二つしか使えないんだ」

「それはどうして?」

「お父さんとお母さんがさ、攻撃魔法は危ないって言って教えてくれないからだよ」

と言ってきたので俺はなるほどなと思いながら

「それは仕方ないな」

と励まそうとするとエーミルは決意に満ちた顔をして

「今は仕方ないがいつか、教えてもらってもっとすごくなってやるぜ」

と言うともう一つのコップにも水魔法で水を注ぐのであった。


エーミルが水を注ぎ終わり、コップを渡してきたので飲んでみると渇いた体に染み渡り

「「上手い」」

と同時に言ってしまい、笑い合う。


その後水を飲んでいると

「そういえばお前はどこから来たんだ」

と聞いてきたのでやっぱり、さっきの話信じてないかと思いながら

「王都から来たよ」

「何で王都からこんな何もない所に来たんだ」

「マルコス、騎士団長のお使いでね、兎駆除に」

と説明するとエーミルは笑って

「そんな嘘、吐くなよ」

と言ってきたので俺は何とか証明出来ないか考え

「嘘じゃないよ、そんなに疑うなら、一緒に来てる人達に会う?」

と言うとエーミルは悩んだ表情をした後

「分かった、じゃ会いに行ってやるよ」

と言ってきたので俺達はジョンの元へ行く事にする。


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