転生したら天使に会った

くうはく

第1話 転生ってほんとにあるんだな。

「すいません。忘れ物したんでちょっと取りに行っていいですか?」

俺はそう言い学校の警備員さんに許可を取る。

「何年何組の誰だね?」

「2年2組の風間優輝(かざま ゆうき)です。担任は谷町先生です」

「わかった。谷町先生に言っておくから、終わったら職員室に行きなさい」

「ありがとうございます」

警備員さんは俺にそう言うと門を開けてくれた。

俺は校舎に入り、階段をのぼり自分の教室...ではなく屋上へ向かった。

夜風が心地いい。

「今日で終わりか」

俺はそういい屋上の柵を乗り越える。

足がすくむ。やっぱり怖い。

「怖いよな...けど、やるしかない」

俺はそう自分に言い聞かせて自分を落ち着かせる。

「アニメとかでよくある転生...もしあるとするなら次はもっといい人と関係を持ちたいな...まぁ、そんなものないだろうけど」

俺はそう言い屋上から飛び降りた。

なぜかこの時間だけすごく長い気がする。

ジェットコースターのような浮遊感が俺を襲う。もう少しで─────






目が覚めるとベッドの中にいた。

高級なベッドだ。辺りを見渡すと机も何も無い。屋敷の空き部屋か?

「転生...ほんとにあったんだな。ってことはそろそろ美少女が俺を迎えに来る...のか?」

俺がそう先を期待していた時だった。

「目が覚めましたかな?」

執事だろうか...20代くらいのお兄さんが部屋に入ってきた

「ちっ...なんだ男かよ...つまんねぇな」

俺はてっきり美少女が来ると思っていたためガッカリしてしまった。

「お嬢様は少しご多忙なので代わりに私が参りました。お食事はどうなさいますか?」

「わざわざありがとうございます。いただきます」

「では、ご案内致しますので」

「はい」

俺はベッドから降り、後をついて行こうとしたのだが...

「どうかしました?」

「大変申し上げにくいのですが...そのような格好で部屋から出るわけには...」

俺はそう言われ下を見る。そう、アレだ。

下を見ると俺のアレが無様にも晒されていた。

「お兄さん...いくらモテないからって男に手出すのはいかがかと...」

「滅相もないです。私はお嬢様のモノにしか...」

「なんか聞き捨てならないことが聞こえた気がするんすけど...まぁいいです。下着等っていただけますか?」

「ご準備致します。少しお待ちください」

あの執事大丈夫か...?いつか大事起こす気がするんだが...





あの後俺は着替え終わり執事に食堂に案内された。今はその食堂で食事を終えたとこだ。

「お口にあいましたかな?」

そう執事さんが聞いてきたので俺は答える

「すごく美味しかったです。こんな美味しいものいただいて大丈夫なんですか?」

「ご心配なさらずに。お嬢様が飛びっきりの料理を振る舞いなさいと仰ってましたので」

「な...なるほど」

後でお嬢様にお礼言いに行かなきゃな...

「ところでなんですけど...自分って誰に拾われたんですか?」

俺は気になってたことを執事さんに聞いた。

「...それ聞かれますか」

俺はそう言われた瞬間に察してしまった。

俺はベッドの中では上しか着てなかった。

いや。まて。

「あの。なんで自分下は着てなかったのに上は着てたんですか」

全く気にしてなかった。

まさかこの執事本気で俺の事...

「信じられないと思うのですが...お嬢様の命令です」

「え?いやいや。そんなことないですよね?」

俺は執事が言ったことが信じれなかった

...いや。まさか...

「あの。聞いてばっかで申し訳ないですけど、この屋敷って誰が所有権あるんです?」

「お嬢様です」

「すいません。とても失礼なこと聞きます。お嬢様の年齢とお嬢様のお父様って...」

「...よく気づきましたね。お嬢様が物心着く前に亡くなりました。お嬢様のご年齢は17です」

やっぱり...父親がいなくてその年齢なら男のアレにも興味あるよな...

「お察しの通りです。お嬢様はお父様がお亡くなりになってしまったため、男性についてなにも知らないんです」

「...実は自分妹いたんですよ。自分が“あそこ”から消える前に“いなくなった”んですけど。自分の家庭も父が亡くなって、妹が何もわかんなくてそれでよく自分のを見ようとしてたので」

「心中ご察し致します」

「ありがとうございます」

俺は食事を取って眠くなったため自室に戻った。





あれから1時間後、執事が起こしに来てくれた

「あの。お嬢様に会わせていただけませんか」

食事の感謝を言いに行きたかったので執事さんに頼んでみた。

「わかりました。お嬢様のお部屋に案内します」

俺はベッドから降り、ちゃんと服を来てるか確認した。

「大丈夫ですよ。ちゃんと着てます」

そう執事さんは笑いながら言った。

「またお兄さんになんかされたかもって思って確認したんですけど、よかったです」

俺はそう冗談交じりで返しといた。





「お嬢様。お客様がお嬢様とお話したいと仰っています」

「いいわ。通して」

そうお嬢様の返事が聞こえると執事が扉を開けた。

「では私はここで」

そう言い執事はどこかへ行った。

「あなたがお嬢様...ですか?」

「えぇ。そうよ。私はルビー。あなたは?」

「すごくち...じゃなくて可愛らしいですね。自分は風間優輝と言います」

「今チビって言いかけたわよね?まぁいいわ。なんの用かしら」

あぶない。

「あんな豪華なご食事いただいたので、その感謝を伝えに」

「あら。礼儀がいいのね。そゆ男は嫌いじゃないわ」

「それはそれはどうも。お嬢様みたいな方にそういわれてとても嬉しいです」

俺は頭を下げながらそう言った

「私あなたのこと気に入ったわ。私のペットになりなさい」

なんだこいつ。

「ぺ、ペット...ですか?」

「そうペットよ。男の人ってこゆの好きなんでしょ?」

とんでもない勘違いをしてらっしゃる。

「いえ、それはごく一部の男性で、自分はそんな趣味はないです」

「あら。そうなの」

「そんな情報どこから手に入れたんですか...」

「インターネットよ」

「やっぱり...インターネットの内容なんてほとんど信じたらだめです...あんなの嘘っぱち多いんで...」

やっぱりこゆのってインターネットで知ること多いんだな...俺もそうだけど。

「用が済んだのなら帰ってくれる?私も暇じゃないの」

冷たいなぁ...

「そんなこと言わないでくださいよ...泣きますよ?」

「勝手に泣けばいいじゃない」

「ぴえんぴえん」

「キモいからやめて」

もうこの人やだ...

俺は拗ねて自室に帰った。

覚えとけよあいつ...








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