第6話

『ソヴァ皇太子殿下、昨日はまるで夢の中にいるような心持ちでした。

 まさか殿下が突然来訪されるとは思っておりませんでしたので。ウドゥンも私も、汚い格好をしておりましたこと、いまさらに思い出しては、恥ずかしさに身もだえしております。

 殿下はますます華やかでお美しい。深いグリーンの外套はブロンドの巻き毛を引き立たせておりました。身に纏う香水もうっとりするぐらい素晴らしい香りでした。貴方の身の回りの御世話をしていたころが懐かしいです。ウドゥンに嫁いでからの私は、センスが鈍っていることでしょう。貴人の傍にいないと駄目になっていきますね、とても残念です。

 私が菜園で育てた果物でジャムを作りましたので、今度送らせていただきます。是非召し上がってくださいね。緑のソーキより』

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