第2話 はやく見せてよ、女神様!

「おい、北風よ」

「なんだ、太陽」

「やはり夏場の勝負はこうでなくてはな」

「そりゃそうだ」


 北風と太陽は、空から砂浜を見下ろしていた。

 場所は海水浴場。見渡せばナイスバディのギャルたちが楽しげにたわむれている。


「風のうわさによると、件の娘は今日ここに海水浴に来るらしい」

「ふむ。さすがは北風、耳が早いな」


 どこか機嫌が良さそうな笑顔のエロ神コンビ。

 勝ち負け以前に、美女たちの水着姿で既に大興奮の様子。


 しばらくすると、三人の若い娘が現れた。


「お、うわさをすれば……」


 予定通りのお目見えに、気持ちが高まる太陽。

 三人の娘のうち一人は、黒くつやめくショートボブに愛らしい幼顔の少女。

 見まごうことも無い。先日、白いブラを着用していた娘である。


「ありゃ、しかしあれはどういうこった?」


 少し残念そうに北風が言った。

 今日の彼女は大きめのパーカーを着ており、期待していた水着姿は確認することができない。

 どういうことかと戸惑う彼らの元に、風に乗って声が届く。


「みなっち、な~に恥ずかしがってんの?」

「そーだよ! 勇気出して見せつけてやんなきゃさ~」


 その声は娘の両隣にいる二人のギャルのものだった。


 件の娘――みなっち、というらしい――は彼女らにはさまれ、遠慮しがちな様子で浜に訪れていた。


「いや、中に着てるけど……わ、私、かわいいって思ってもらえるか、不安で……」

「「やーん、すでに可愛いー!!」」


 みなっちの初々しさに、二人のギャルは声をそろえた。

 それを見た北風と太陽も、身を焦がされるようないじらしさを覚えた。


「そそるじゃねえか」

「ふむ。これぞ「とうとい」というやつだな」


 なぜか得意げだが、その目つき顔つきはエロジジイのそれでしかなかった。


「さておき、どちらが娘を……みなっちを脱がせることができるかだ」

「ああ。約束、忘れてねえよなあ?」

「先に脱がせた方が娘の裸を独占できる。そんな大事なことを忘れる訳が無いだろう?」


 太陽の熱意で砂浜の温度はわずかに上がり、最低な勝負は最高に盛り上がり始めた。

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