学校 3 星谷サイド

 今日は天霧さんが欠席していた。

 無断欠席だ。

 もしかすると、家に誰もいなくて連絡ができなかったのかな? 連絡できずに、天霧さんは一人家で苦しんでいるのかもしれない。

 どうしよう……もし本当にそうなのだとしたら、今すぐにでも駆け付けたい。

 でも私には学校を抜けだすことなんてできない。だから、今日の放課後、先生に天霧さんの家の住所を聞いて向かおう。

 そのことだけを考えながら今日一日を過ごした。

 今まで私は真面目な生徒だと思っていたけれど、昨日から授業は聞いていなかったりしてどこが真面目な生徒なんだ、と思ってしまう。

 天霧さんと繋がりができてから、自分の知らない自分が生まれてしまう。

 

 放課後になって、先生に天霧さんの家の住所を教えてもらう。既に先生の方から連絡はしてくれていたらしいけど、なんとかお見舞いをしたいというのを押し通して教えてもらえた。

 一昨日一緒に帰った時、電車通学の私に合わせると言ってくれたから割と近いのだろうと思っていた。実際に場所を聞いてみると私の最寄り駅とは正反対の方向だった。

 天霧さんは気を使ってくれたんだ。天霧さんは優しい人なんだ。それならなおさら急がないと。

 文化祭関係の準備の下準備は昨日のうちに終わらせた。本格的な準備は来週から。だから今日の私は、放課後自由に動ける。

 先生から天霧さんは体調不良だと聞いたから、なにか少し食べられるものでも買っていこう。

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