帝都の狂犬公爵令嬢は辺境伯と結婚します

しいず

狂犬令嬢の嫁入り

第1話 その公爵令嬢は狂犬です

 とある帝国のとある公爵家に1人の娘が生れました。

名はエルマ。彼女は公爵の四女として生まれ令嬢と学問や礼儀作法を学び、

美しく育ち、帝都の貴族たちからも求婚……されませんでした。

エルマは公爵令嬢に相応しくない「帝都の狂犬」と言う通り名があり

帝室はもちろん、上級貴族からは婚約の話は元から無し。

仕方なく、父親は自分より下の貴族にも頭を下げ、婚約頼むも

エルマが出した条件をクリアできずに、18歳になった今でも婚約が決まりませんでした。

エルマの出した条件は

「エルマ手合わせして勝てた者が結婚相手になる」

というものでした。


「まったく、それでも帝国貴族の男子ですか?情けないです」


わたくしは首を横に振りますが、わたくしと手わせして5分間

立っていた事はおほめしますが、これではだめです。

素手の令嬢に倒されるれはこの帝国を守れません。

現在、帝国を取り巻く情勢は厳しさを増し、いつ隣国との戦になるかわかりません。数百年の歴史がある帝国ですが、このような男子ばかりでは滅びてしまいます。

そして、このままではわたくしの婚約先が何時まで経っても見つかりません。


******


 わたくしは帝国の公爵家4女、エルマ・テック。

お父様は帝国の政治の一翼を担っています。

テック公とよばれ、帝国では帝室の次を競う名家。

そんな名家の令嬢であるわたくしの結婚先は18歳になった今も見つからずにおります。

姉3人は既に結婚し、一番上の姉は皇帝の第2夫人。

残りの2人の姉もライバルになりそうな家に嫁入りをさせて、結婚という名の

スパイ活動をしています。


 上級貴族の娘は10歳に婚約相手が決まり、貴族学院を卒業後した18歳で

結婚しますがわたくしは結婚どころか、18歳になっても婚約すら決まっていません。

しかも、明日は19歳の誕生日。

婚約相手が決まらないだけでも陰口を言われますが、このまま20歳になって

婚約しなかったら、父の立場も悪くなりますので、わたくしも父のために

婚約相手を探したいのですが、帝都の狂犬なんていう令嬢と結婚したい

貴族はもう帝都にはいません。


 わたくしが「帝都の狂犬」という令嬢と思えない通り名がある理由ですが

それは加護についた精霊と神が原因です。

この世界は皇帝や貴族だけでなく、平民も精霊や神の加護が生れながらにあります。

平民はお守り程度のものですが、貴族や皇帝になりますと精霊や神の加護が

所謂、魔法と同じ力を持つようになります。

今は銃や大砲が主力の武器になり、剣や魔法で戦う時代ではありませんが

それでも加護がある事によって、強い力を発揮します。


 加護の数は平民は1つか2つ、聖職者や貴族は3つから5つ、帝室になると5つ以上となりますが

それでも皇帝をもってしても加護5つまでで6つあるだけでも歴史に名を残すほどです。

わたくしの加護は4つなので貴族としては普通なのですが

問題はその加護で、わたくしについている加護。

わたくしの加護は

「武神」「火焔ほのおの精霊」「疾風の精霊」「石の精霊」

と神と上級の精霊がついています。


 上級の精霊や神の加護の3つがあることは貴族でも珍しいことなので

始めは神の子や聖女なんて言われましたが、加護の力が強い事はそれだけ影響が強く

喧嘩早いのは武道の神、怒りやすいのは火焔の精霊、素手で殴っても怪我一つしないのは石の精霊、人間離れした素早さは疾風の精霊の影響。

特に武道の神の火焔の精霊の影響が強くて、すぐ殴る、怒るので

口より先に手がでてしまい、学院や街で喧嘩をして、平民、貴族、軍人関係なく

誰彼構わず喧嘩して、殴っておりました。


 普通でしたら、罪に問われて親との縁もきられて魔術が施された

牢屋に魔女の様に封印されますが、父の力でなんとかこうしていられます。

ただ、5歳の時に幼馴染で本来だったら婚約相手だった第二皇子を殴り飛ばした時は

父は流石に青ざめるどころか、家の取潰しと死を覚悟しました。

しかし、わたくしを怒らせたが第二皇子が原因だった事と

治癒師がいた為、傷跡や後遺症が全く残らなった、子供同心の喧嘩

ということにして何とか不問にしてもらいました。

ただ、これがきっかけで貴族から白い目で見られるようなりました。


 成長していき、加護対する耐性と制御を覚えたので大分ましなりたが

それでも貴族学院に通うようなってからも、学院や街で先ほど言った通り

誰彼構らず喧嘩して、殴っていましたが石の精霊の加護で怪我をする事は

ありませんでした。


 学院ではわたくしの悪口を言う子息令嬢を。

街ではわたしくから金品を取るため因縁をつけて来た平民を。

わたくしに無礼をはたらいた軍人を。

そして、わたくしを誘拐しよとした誘拐犯を殴り倒して

ついた通り名が「帝都の狂犬」と公爵令嬢らしからぬ通り名がついてしまいました。


 さらにこの通り名を聞いて襲ってくる者もおりましたが、もちろん殴り倒しました。

そうなると、わたくしを襲ってくる者は帝都ではいなくなりましたが

わたくしは1度も負けた事ないどころか、1度も怪我をしませんでした。

それは石の加護のお陰ですが殴る時に怪我しないだけではなく、

素手どころか剣で少し斬られたぐらいでは着ている服すら斬れないほどの強力な加護。

わたくしを傷つけられるのは鉄道に惹かれるか、銃や大砲で撃たれる

ぐらいと思っていますがどれも実際したした事もされた事もありませんが

試すにも加護の効果がなく命を落としたら意味がありませんし、これからもされないようにはしたいです。


 しかし、公爵令嬢に「帝都の狂犬」なんて通り名がついたのは父としては不名誉。

そこで加護を抑える法具を作ったのですが、法具自体は5歳の事件が

きっかけなのですが、あまりにも加護が強力なために、法具が身につけた

瞬間に壊れてしまいました。

そのため、何度も試行錯誤を続けて、やっと15歳の時に法具が完成。

法具を身につけて3年経ちますが、1度も壊れてはいません。

念の為、予備を3つ用意してはいますが、今の所は壊れる様子はありません。


 法具が出来までの間、加護の制御法を学んで少しづつでありますが

何とか自分でも抑える事が出来る様にはなりまました。

さらに法具を身につける事により、安定し手出しをすることはなくなり落ち着きました。

ただ、一度ついた通り名は消える事なく、今も帝都の狂犬と言われ恐れられています。


 今は落ち着いたのですが、結婚するのでしたらやはりわたくしより強い男子と結婚したいです。

今は法具と制御法を覚えて落ち着いてますが、法具が壊れてたり

我を忘れて制御が出来なくなった時の事を考えて、わたくしを押える事が

できる方でないと困るのが理由です。

貴族の男子は軍人になるので、強い事は強いのですが

銃が主力になった今となっては、以前よりも格闘や近接戦闘が強い男子は減っています。


 軍でも格闘は教えており、帝都の格闘術は大陸の中でも強いのですが

それをもってしもて、武神の力は敵いません。

さきほどのお手わせしたお方も、軍はかなりのかなりの格闘術の使い手なので

手加減して数発殴っても耐えれましたが、並の軍人でしたら手加減しても

1発で倒れてしまう程ですので、5分も立っていた事と自体凄い事なのですがこの程度ではだめなのです。

わたしくしの拳を受け止めて平然して欲しいのです。

帝都にはこのような男子はおらず、このままではわたくしの貰い手が無くなってしまいます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る