5話 会議、暴露
教会のなかは、音が反響してカツンカツンと言う靴の音がうるさく感じる。この神聖な空気感のなか病院服な男、つまり俺は相当場違いな気がしてならない。ちょっとした居心地の悪さを感じていると、木の扉の前に着いた。おそらくここで会議が行われているのだろう。すると、少し前を歩いていた謡が大きな声で
「失礼する、今しがた預言者を名乗る男が急用があるので会議に参加したいとのこと。
と、言ってから扉を開けた。中には、少年少女と、おっさんおばさん達が円卓で会議を行っていた。全員の視線がこちらを見ていた。それぞれがとてつもない身体能力や超能力を使える中、俺に特殊能力はなにもない。彼らの機嫌を損なえば、明日から生きていけないだろう。最も、直接手は下されないだろうが。
「会議のなか失礼する。私の名前は赤城湊、俗に言う預言者と呼ばれる存在だ。今日は、あなた達
俺の言葉を聞いた、議長らしき長いアゴヒゲが特徴の白髪の長老が
「なるほど、湊くん。ところで、そのたすけとやらは、何かな?会議を、中断させる、くらいには、重要な話、なんだろうね」
「あぁ、世界の存続に関する重要な話だ。」
ここに居る全員から少し動揺が感じられるが俺は構わずに話を続ける。
「一昨日、神から預言が下った。世界を終焉に導く魔女が生まれたと。」
「ほう」
長老が俺を鋭く睨む。その目は、そこらの子供では逃げ去ってしまうくらいの威圧感があった。
「預言によると、あなた達だけで対処しては世界が滅びるらしい。」
「なぜかの?」
長老の疑問は当然のことだった。
「それは、この度生まれた魔女には邪神を操つることが出きるからです。」
緊張感が強くなる。そもそも、キリスト教は絶対神たるヤハウェの一神教であり、他の神を名乗る存在は全て悪魔として見なしている。例えば、ソロモン72柱の一柱目の''バアル''はキリスト教の前身たるユダヤ教がバチクソに殴り合っていた宗教の神の名だ。敬虔たるキリスト教集団
「えぇ、邪悪なる神です。」
キリスト教の聖典たる聖書には、元々闇とヤハウェのみが存在していて、後からヤハウェが光やら大地やら生命を産み出したとされる。しかし、闇や死は産み出していないのである。この事を、
「えぇ、この世を創世した神ヤハウェ*1に匹敵する力を持つ邪神を彼の魔女は使役しています。そして、その魔女は既に取り返しの付かないところまで悪事にてを染めています。」
ここに居る全員に!マークが出たような反応をする。そうだろう、今までの宗教観をひっくり返されるようなことを言ったのだから。それに構わず俺は続ける。
「彼の魔女は、世界の幸せを代償に邪神の力を使います。今まで魔女は偽善のためにその力を使っていましたが、今日ついに悪事に手を染めました。これをもって彼の魔女は神敵として扱います。ですが、私だけではなす術なくやられてしまうでしょう。そこで、あなた達に力を借りたいのです。世界を救うために。」
さあ、どう出る?
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