1話 転生、失望

 うっ、俺はいったい…。家でアニメ見て…そらから?ここは…?


「湊!湊!?」


…うるさいなぁ今考えてるんだよ


「お医者さん!湊が、湊が目を覚ましました!」


…「うるさい!」


「!?!?」


 目を覚ますとそこには、泣いているおばさんがいた。…そして俺に抱きついてきた。うっ、少し匂うな。


「おばさんだれですか?」


俺が訪ねると


「えっ」


 とおばさんが動きを止めた。


「そもそも、ここはどこなんですか?」


 おばさんは黙ったまま部屋から走って出ていってしまった。


 ここは、どこなんだろうか。見た感じ病院みたいだ。すると、白衣を着た医者みたいな人が来て話しかけてきた。


「やぁ、僕は医者の坂本優弥。君の名前を言えるかな?」


 俺の名前は…、俺の名前は?あれ?俺はいったい?


「思い出せないようだね。君は、君の彼女を通り魔から庇って刺されてそのまま突き飛ばされて頭を打ってしまったんだよ。」


 …俺には彼女が居ないし、通り魔相手に勇気を出す理由もない。だけど、腹には包帯が巻かれている。いったいどうし


「湊君!!!!」


 考えている最中に頭緩そうで、萌え声のうざそうな女が俺に駆け寄ってきた。


「湊君、ごめんね。私のせいで」


 そして、俺にはこの女についての記憶がある。そう、確か「魔法と恋」の主人公である


「恋だよ。湊君。」


 そう、不知火恋だ。自称社会の被害者であり、自己中傲慢野郎であり、作中最も嫌われたクズキャラである。


 そして、こいつが叫んでいる''湊''という名前は


「ねぇ、彼女のことを忘れちゃったの?」


 こいつの幼馴染み兼彼氏で、こいつに浮気され人類の敵と言う汚名を着させられて殺される被害者ポジである。


「すまん、わからない」


 さぁ、ここからどうしようか。


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