二◯二三年 六月

浅縹カルピスソーダ氷の


和子が手に余ると笑う手毬花


夏天何処いずこへ飛び去ってしまいたい


南薫や今日を笑って吹き抜けろ


ゴンドラの窓辺夏の川面なぞり


水泡みなわの光り捉えん夏のこども


児の枕辺孤独吟ず短夜や


せいくらべ耳付き帽子立葵


夏雲の群れを数えて天気痛


みはなだの千代紙ならべ氷菓売り


溜息を撚りて伸ばして夏霞


夏木陰猫の転寝観察し


枯紫陽花疫禍の雨降り通し


蚊遣火のを手繰り辿る祖母の手

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