第18話

地下迷宮に戻ってきた。


配信を始めよう。


前回の中断ポイントから始まる。

更にダンジョンの奥へ進んでいくことにした。


進んでいると次のボス部屋の前までたどり着いた。


「もうボス部屋についちゃいましたね。はやっ!」


斎藤は驚いていたようだが、これは俺の平常運転ってやつだ。


「じゃ、中に入ろっか」

「はい!」


俺は扉を開けて中に入る。

するとそこにいたのはボスだ。



名前:ブラックドラゴン

レベル:4580



"ドラゴンwww"

"めっちゃ強そうなのきたwww"



「ゴォォォォォォォォォォ」


ドラゴンは口から火を吐いている。


「ドラゴンなんて初めて見ましたよ」


斎藤がそう言っていた。


「俺も初めて見るけどね」


そう言いながらいつものようにメリケンを装備。


そしてドラゴンを睨んでいた。


先に動いたのは俺だった。


床を蹴って飛び上がるとドラゴンと同じ高さまで飛び上がる。


「ゴアッ?!」


驚いていたドラゴンの顔をぶん殴った。


その瞬間光となって消えていった。


"草"

"ドラゴンすらワンパンするのかw"

"逆にワンパンで終わらないモンスターってなんなんだろうな"


そんなコメントが続いていた。


俺はそれからドラゴンのドロップを確認することにした。


ドラゴンが消えた場所の真下を見てみると宝箱があった。


パカッ。


宝箱を開けてみると中にはドロップアイテム。


「ふむふむ。ドラゴンステーキというやつか」


中にはドラゴン肉が入ってた。


それを回収して俺は斎藤に聞いてみた。


「これでなにか料理できたりしない?」


もう時間も時間だし先に済ませようと思って聞いてみたのだけど。


「ドラゴン肉なら普通に焼くだけでもそこそこおいしいですよね。そのまま焼いてみませんか?」


その提案で俺はただ肉を焼いて貰うことにした。


簡易的な調理器具で斎藤は肉を焼いていく。


ジューッといい音が鳴っていた。


「うまそーだね」

「おいしいですよ!ドラゴン肉だもん!」


焼いてるとだんだん肉に火が通って色が変わっていく。


そして適当なところで焼くのを止めた斎藤。


俺に肉を渡してきた。


「はい。お箸とかは持ってるんですよね?」

「うん。ちゃんとアイテムボックスの中に入ってるよ」


アイテムボックスの中に手を入れてお箸などを取り出す。


それで小さくナイフとかフォークを使って一旦切り分けてから口に運んでみる。


「うまい!」

「ふふふ、よかったです。一応味付けはしてありますかるね」

「あ、そうだったんだ」

「一応メイドですからね」


えっへん、とでも言いたそうな斎藤。


コメント欄にもコメントが増え始めた。


"うわーうまそー"

"てか今日は知らない人がいるっぽいね?"

"チラチラ見えてるけどメイド服?着てるよね。メイド部の子じゃない?"

"あの学園メイド部があるらしいもんなぁw"

"いいよなぁメイド部"

"男の憧れよなぁw"


でコメントでこんな質問があった。


"そういえばさ、どんな味なの?ドラゴン肉は"

"俺も気になる"

"レベル高いドラゴンだからその分おいしそう"


俺は自分の感想を口にしてみる。


「うまいんだけどさ、なんて表現したらいいかがよく分かんないなーごめんね」


今までに食べたことない味なのはそうなんだけどそれ以上の言葉が出てこないや。


なんというか綺麗なものを見て綺麗だ以上の感想がいらないのと似たような感じだな。


「さてと、このまま進んじゃおうか」


そうして俺たちはダンジョンを進んでいった。


やがてダンジョンの中継ポイントについた


俺はそこで口を開いた。


「今日のところはここまでにしようか」


色々とモンスターをぶん殴ったりして今日のところはかなり進めたし、これ以上進む必要はないように感じた。


だからだ。


「そうですね。あんまり遅くなると門限がありますからね」


俺はそこで配信を停めた。


そうして俺は転移結晶に手を触れた。


これで街の方に帰ることにした。


街に着くと先に斎藤を送ってから自分の寮に戻ることにしたのだが。


その前に夜食を買いに行くことにした。


動いたからお腹がすいてしまったのだ。


普段なら我慢するだろうけど、今日はなにか食べたい気分だった。


それでコンビニに向かっている時だった。

コンビニの前に変なやつらが集まってるのが見えた。


いつの時代も夜のコンビニにはそういうのが集まるということだ。


目を合わせないように中に入ろうとしたら


「あ、あれ?修也?」


声をかけられてそっちに目をやった。


ビチ子がコンビニ前でしゃがんでた。


まさかこんなところで会うとは思わなかったな。






























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