ゲームの知識を持ちつつも、新しい世界で戸惑いながら前に進んでいく

ゲームの世界に転生した主人公の冒険を描いたファンタジー作品です。

物語は、主人公の雄也が現実世界で亡くなり、プレイしていたゲームの世界に転生するところから始まります。ゲームのキャラクターであるクインと出会い、借金返済のために冒険者となって迷宮に挑むことになります。

ゲームの知識がある一方で、ゲームとは異なる部分に戸惑う雄也の姿が描かれています。例えば、ゲームでは重要だった短剣がこの世界ではあまり重要視されていなかったり、竜人の女の子との関係性の築き方に悩んだりする場面があります。

また、魔物から素材を集め、雑草なども活用して独自の強壮薬を作り、金策としてスラムの少年に売る場面からは、ゲームとは違った生活感や世界の厳しさが伝わってきます。

ゲームの知識を持ちつつも、新しい世界で戸惑いながら前に進もうとする主人公の姿勢や、仲間との関係性が丁寧に描かれています。ゲームを下敷きにしつつも、生身の人間として描かれるキャラクター達の掛け合いが新鮮で、ファンタジー世界での冒険と人間ドラマの両方が楽しめる作品だと感じました。今後の展開が気になる内容です。