年季と信念と研鑽かさねたこの邪道は、もはや邪道ではない。

還暦のプロレスラーという、一見して存在自体が妙ではないかと思ってしまう主人公。
「八百長」と謗られかねない要素すらも飲み下し、真摯に向き合うその姿。
臨場感にあふれる文章とあいまって、冒頭からぐいぐいと引き込まれ、引き揚げてゆくその背中に拍手を送ってしまうでしょう。