第二十六話 お嬢様、やっぱりミンチ肉

「……まだ追ってくるのですわッ⁉」

「ちょっとこれはしつこすぎないかな! ダンジョンくん‼」


 そう言って私たちは未だに全速力でダンジョンを欠けていたのですわ。

 いや、本当に……マジでしつこすぎますわよ‼


「……ねえ、エリのその右腕であれって壊せない⁉」

「マシンガンでですの? 確かに、もしかしたらできるかもしれませんわね!」


 そう言って私は足を止め、トラップに向けて右腕を構えましたわ。

 なんか海外のドラマとか、ロボットアニメとか、後特撮とかでマシガンで迎撃するシーンが良くありますの。


【コメント欄】

”そう言えば汚嬢様の右腕ってマシンガンだったな」

”マシンガンで壊せるの?”

”さ、さあ? でもお嬢さん自信ありそう”


「……さあ、ハチの巣に慣れですの」


 そう言って迫りくる岩に向けて、私はマシンガンにぶっ放したのですわ。


「あっはっはっは! 最高にハイって奴ですわ!」

「おお! エリちゃん凄い! よ、日本一のお嬢様!」

「はっはっは! は……?」


 確かに私の弾丸は、岩を削るだけの力を持っていましたわ。

 けれど、そもそも相手は高速で転がってくる大岩。


 多少削れたとてすさまじいスピードで転がってくる大岩を破壊することも止めることなんてできずに、結果削り切れずに私の目の前まで来た岩は私を潰して、リオ姉さまへと迫って行ったのですわ。


「ごぼがぼばぁ……」

「ぎゃああ⁉ エリちゃんが潰されたーーー!」


【コメント欄】――――

”これ大丈夫なの?”

”……普通なら死んでる。けど汚嬢様だから”

”いや、汚嬢様も言うて人間だし、死んじまうことも……アレ? お嬢様が死ぬ未来が見えないわw”

”確かに、首が捥げても、上半身が捥げても……ましては始めてお嬢様が目撃された時ミンチにされて生きてたからな。

”あ、じゃあ大丈夫……なのか?”

”いや、普通に大丈夫じゃないだろ”


 

 ……後に見たコメント欄には、そう書かれていましたわ。

 まあ、実際私意識が飛ばずに生きてるわけなんですけれども……あれ?あ、そもそも私死んでますわね。


「ごぼぼぼぼー」

「ぎゃあああ、怖い怖い怖いいいいいい!」

「びぼぼべーばばばぶべべー(リオ姉さま助けて―)」

「ぎゃあああ⁉ ミンチ肉になってるーー」


 そう言って走っていくリオ姉さまですが、とうとうリオ姉さまはダンジョンの行き止まりに追い詰められてしまいましたわ。


「ありゃりゃ、どうしよ」


 そう言う、リオ姉さまに迫る岩の玉。


「……うぅ、こうなったら……こうなったら……」


 リオ姉さまはそう言って、振り返ると、拳を固く握りしめ……その拳に魔力を貯め始めましたわ。


ゴロゴロと近づく、大岩+私。


「『狂龍 ラプトルショット』っ‼」


 リオ姉さまはそう叫び、拳に溜め込んだ魔力を開放させ、岩に向かってこぶしを叩きつけましたわ。


 大岩は、その攻撃で、完全に勢いを止め……そして、ミシミシと音を立て、粉々になってしまったのですわ。


「にひっ、一撃必殺……私の技冴えてるー」


 こうして、リオ姉さまの攻撃によって、罠は無力化一件落着……なんてわけねえですわよ。

 私は、スライムのようになった状態でリオ姉さまに不満をぶつけに行きますわ。


「(べちゃん、べちゃん)……ちょっと、リオ姉さま! それ出来るなら早くしてほしかったですの!」

「ははごめ、ちょっとピンチを演出したくって……ぎゃああああ⁉ 肉スライム――――ラプトルショット!」

「いってーですのおおおおおおおおおおおおお!」



――――――――――――――


ここまで読んでくれてありがとうなのです!

作者からの少しの宣伝なのです。

新作を始めましたのですよ!


タイトルは『転生したら幽霊船だったので、この世のお宝すべて手に入れてやろうと思います。』

https://kakuyomu.jp/works/16817330665162212961


……知ってます? 船って彼女なのですよ。

是非読んで……コメントいただけたら最高に嬉しいのです!


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