第7話 トラブルと愛
幹人は仕事が終わると連絡をしてくれて、帰宅するとボラクエで冒険した。
そもそも疑う余地などないのだ。
しかしある時幹人から「ごめんね亜紗。無理やりだけど彼女ができた」と言われる。
「それは絶対に嫌。別れて」亜紗は振られる覚悟で言った。
幹人はしばらく考えて「わかった。すぐに別れてくるから待ってて」と言い二時間ほど話し家に帰ってきた。
「本当にごめんね、亜紗。しつこかったけど別れてきたから」幹人は謝る。
やはりそういう事はしていたのか。だが素直に言ってくれたと気持ちは揺れる。
信じたい思いと信用できない気持ちが生まれた。
時間が経ち、また少しずつ信用ができるようになった。
前よりも、恐らく平坦な暮らしをするよりも愛が深まったような気がする。
後に聞いたが、幹人の彼女ができたというのは幹人が亜紗を試した嘘だった。
幹人に逢いたい。織姫と彦星よりも逢っていない。
こんなものでいつか結婚などできるのだろうか。
幹人は運送会社に転職し、給料が少し上がった。
その代わりに益々時間が無くなった。
逢えないながらも、月日は経ち10年付き合った記念に幹人に「指輪が欲しい」と初めておねだりをした。
幹人が逢いに来てくれ買ってきたのは、ペアで2980円の安い物だったが幸せを感じた。
そして幹人が泊まり二日目の時に急に真剣な表情で何かを言おうとしている。
亜紗はベッドに腰かけ「どうしたの?また何かした?」と笑って聞くと床に膝をついた。
「お待たせしました。亜紗を迎え入れる準備ができました。お金もやっと貯まりました。家も準備しました。僕と結婚してくれますか?」
亜紗は思わず泣きだし、幹人が抱きしめる。
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