開幕Ⅱ TAR-YA SURVIVAL

 あのゲームマスターを名乗る男からゲームの開催を宣言されてから、数十分。「〇〇コレクション」は中止になり、会場には、警察がやってきた。


 富澤「警視庁捜査一課の富澤 武石たけしです。早速、何が起こったのかご説明願います。」

 スタッフ「はい。このイベントに出演するはずだった48-フォーエイト-のた~やさんが、昨日体調不良でイベントを欠席したいと相談があったので、承諾しました。イベントは予定通り進んでいたんですが、途中からシステムをハッキングされ、その際、た~やさんを誘拐したという犯行声明がありました。」

 富澤「なるほど…」

 次に富澤は、た~やと同じ48-フォーエイト-のメンバーの元に向かう。

 富澤「警視庁の富澤です。た~やさんについて何かお話、よろしいでしょうか?」

 音羽「俺が悪いんや…」

 富澤「はい?」

 音羽「俺が、あの時休め言うたから…」

 enn「それは、違う。音羽のせいやないで。」

 こたつ「せや。安否確認しなかったのは俺等も悪かったし、」

 富澤「では、昨日からのた~やさんの行動をわかる範囲で良いので教えてください。」

 こたつ「はい、昨日は、確かスタッフさんに欠席の旨を伝えたあと、お母さんの墓参りに行ったんだったよな?」

 音羽「うん、お母さんの月命日が昨日だったから…」

 富澤「ちなみに、お墓の場所は?」

 アマリザ「堺市霊園です。以前、墓参りに付き合ったことがあったので、覚えてます。」

 タロ社「そのあと、また企画撮るために17時に集合した時はいました。そのままホテル近くの和食屋さんで皆でご飯食べて、そのあと何人かが別行動するから、一旦解散して各々おのおの行動していたんですけど、た~やは、そのままホテルに戻ったよな?」

 あみか「いや、夕日がきれいな場所あったんで数分一緒に写真撮ってましたよ。その時ennちゃんに会いましたよね?」

 enn「うん、うた。そのあと、3人でホテル戻りました。」

 富澤「なるほど、参考までにお聞きしますが、皆さんは何処で何をしたのか。お聞かせ願います。」

 enn「私は、二人に会う前にタピオカ買ってました。」

 アマリザ「俺とわかゔぁとゑむ氏。は一緒にコンビニにいて、俺とわかゔぁは5分くらいで戻ったよなぁ?」

 わかゔぁ「おう。ゑむ氏。はまだ買い物するから先戻っとけ言うてたけど…」

 ゑむ氏。「俺は、あのあとコンビニ出てから、夜景が綺麗って有名なカフェにいた。閉店間際に店出たから、21時頃に出て、20分くらいで戻りました。その時、こたつに会うたよな?」

 こたつ「うん、俺は駅前の百貨店で撮影に使う新しい機材を見て回ってて。タローと音羽も確か下の階にいたよな?」

 タロー「俺はジョジョの新刊た~やに頼まれた分も含めて2冊買ってた。音羽も確か漫画買うてたっけ?」

 音羽「おう。せや。」

 富澤「そうですか… わかりました。また何かあれば、言ってください。」


  その頃のた~やは…

 た~や「ここは?確か部屋に戻ったらそこにマスターがいて、急に意識がとんで… TAR-YA SURVIVAL…どうにかして抜け出さないと…」

 た~やは、辺りを見渡したが、マスターは見当たらない。そこで、縄からの脱出を試みると案外いけそうである。

 ふと、右後ろのポケットに違和感があるのに気付き、取り出してみる。

 た~や「これは!」


 電話「プルルルルルル」

 こたつ「なんやこんな時に… っ!た~やからや!」

 こたつ以外「えっ⁉︎」

 富澤「おい!逆探知機持って来い!良いですかこたつさん。できるだけ会話を続けてください!これで逆探知が成功すれば、た~やさんを助けられます。あと念の為にスピーカーはオンにしておいてください。」

 こたつ「はい…」

  電話を繋げて

 こたつ「もしもし…」

 た~や「っ! こっちゃん!」

 こたつ「た~やか⁉︎ た~やなんか⁉︎」

 た~や「うん!良かった〜」

 こたつ「お前、今何処にいるかわかるか?」

 た~や「わかんない… 窓もないし、外の音も全然…今縄が解けそうだから、もしかしたら外に出られるかも…」

 こたつ「ほんまか⁈」

 enn「でも、どうやって電話掛けれたん?」

 た~や「えっ? でロック解除して…」


 GM「なるほど、そうでしたか。」

 た~や「ッハ! (椅子を倒されて)うわっ!」

 ガシャッ//

 こたつ「た~や? おい!どうした⁉」

 すると、が電話の奥から聞こえる。

 GM「どうもこたつさん。お久しぶりです。最近の調子はどうですか?」

 音羽「マスター…」

 こたつ「お前のせいで最悪だよ!」

 GM「ハハッ そうですか、そうですか~。いや~貴方達が元気そうで何よりです。警察の方々も頑張っているようで…」

 全員「っ! 」

 こたつ「なんでお前がそれを…?」

 GM「そこの監視カメラもハッキングしておいたんですよ。 この通話を終わらせれば、解除しますがね。 ご協力感謝します。このスマホのロックのが知りたかったので、助かりました。」

 ennあみ「え⁉…」 音ゑむ「!!」

 た~や「そのために、俺にスマホを使わせたのか…?」

 GM「そういうこと。 以前、そちらの音羽さんとあみかさんを誘拐したのも、この計画の予行練習と言った所です。」

 タロー「そのために、二人をあんな危険に晒したのか⁉」

 GM「ハハハ、あのあと、貴方達が来ていても、私一人で後片付けするつもりでしたよ。 さて、あとで貴方達にもリンクを送りますが、これから生配信で第一ゲームの開始を宣言します。彼の無事を確認したかったら、しっかりと観てください。」

 プツッ//

 電話「ツーツー」

 富澤「どうだ!! 逆探知できたか⁉」

 警官「駄目です。あとすんでのところで失敗しました。」

 こたつ「…クソっ!!」


 その後、チーム内のグループLINEでた~やのアカウントから生配信のリンクが送られてきた。こたつは恐る恐るそのリンクをタップした。

 先程と同様、黒い空間が広がっている。目の前にゲームマスターがどっしりと構えて立っている。そして、この様子を奴は、一般公開している。現在進行形で己の犯行を躊躇ためらいなく、堂々と世間に見せつけている。


 GM「ようこそ!TAR-YA SURVIVALへ。皆様には、こちらにいらっしゃる有名YouTuberのた〜やさんを私から救出する協力をしていただく。それでは、ルールをご説明しよう。」

  ーTAR-YA SURVIVALー

 ルール①ゲームごとにプレイヤーが指名される。

 ルール②指名を受けたプレイヤーには、参加権が与えられるが、10名以下の指名の場合、強制参加を強いられる。


 GM「早速ゲームを始めよう!

最初のゲームは"暗号解読"」

                         GAME START.

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