第二節 双子のイケメンと清原王の恋
第二十三話
いずれ迎えられる皇太子妃付きの女官として、勤めに出たのだった。(ちなみにそのときの皇太子妃と目されていたのは
成人したばかりの
そんなある日、
運んでいた卵を割ってしまったのだ。それも籠に入っていたもの、全て。
困って涙を浮かべて
「どうかしたの?」
「……卵を割ってしまって……どうしよう……」
「……そうか」
「ここで少し待っていてくれる?」
「え?」
「すぐに戻ってくるから」
「はい」
見ると、籠には卵がいっぱい入っていた。
「あの」
「これで、怒られない? だいじょうぶ?」
「はい、でも、あの……!」
「よかった! じゃあ、おれ、仕事があるから」
「なるほど。それで好きになってしまった、と」
「それだけじゃありません! その後、
「そっか。……じゃあね、あたしが
「え? な、なにをおっしゃるんですか? ――いいんです、わたし、見ているだけで幸せですから」
「見ているだけじゃ、何も進まないわよ!」
「だってだって!」
「
「はい」
「乳兄弟ということだけど、母君は、今は
「そうだと思います」
「じゃあ、あたし、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます