第4話 始まり

救助され説明を受けるまではえんじは8歳で

幼かったのでいま起きている状況は理解できなかった。


兄弟で星を見ていただけなのに、スマホの電波は入らなくなり

街が暗闇になるとは思っていなかった。


避難所についたら


兄弟に自衛隊の出身の男たちが話しかける。


1人はまだ20代になったばかりの顔立ちで

もう1人は40代くらいの体格の良い中年だ。


「大丈夫?ここは東京で、時間は朝の8時になったところだ。怖かっただろう、、」


「まさか、土手近くのマンションの地下に生存者がいると思わなかったよ」


2人は優しい声色で話をかけてくれているが

えんじは黙ったまま下を向いている。


「君がお兄さんかな?話せる?名前は?」


「はい、俺がしあんで、、琴上ことがみ しあんです。隣にいるのが弟のもえぎえんじといいます」


「そっかしあん君ね、あれ?もえぎ君とは双子かな?」


「はい」


「私は、ここの責任者の中川なかがわだ。それで君たちを見つけたのが鴨下かもした君さ」


鴨下かもしたは微笑みながらピースサインをした。


えんじが顔を上げ、つぶやく。


「お父さんとお母さんは?」


「避難所に登録してる名簿を確認しよう、鴨下かもした君あとは頼む」


「わかりました、でお父さんとお母さんの名前は?」


理勇りよん瑠奈るな


琴上ことがみ 理勇りよんさんと瑠奈るなさんだね、わかった、今調べてくるよ」


駆け足で本部のある部屋に向かう鴨下かもした



数十分後・・・


「んー、ここの避難所にはまだ登録されてないみたいだね。別の場所にいるかも。

とりあえず今はお風呂に入ってきて汚れた服と体洗ってきなよ」


しあんは立ち上がると


「わかりました、いくよえんじもえぎさあ、立ち上がって」


くらい表情のまま、3人は避難所の奥にある青色の湯マークが書いてあるのれんをくぐるのであった。









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