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現地視察が終わり、ノスタ公爵家の屋敷に向かった。
ショッピングモールの建設が終わるまでアルスはノスタ公爵邸にお世話になることになっている。
ノスタ公爵邸は王都の屋敷よりも大きい。公爵の格の違いを改めて感じる。
ロフはアルスの為に夕食時に歓迎会を開いてくれた。歓迎会にはロフ、リエラはもちろん、リエラの兄とロフの妻が同席している。
「アルスくん、私の妻のサリーと長男のサイルだ。」
「妻のサリーよ。いつも夫と娘がお世話になってるわね。これからもよろしくね。」
「長男のサイルだ。リエラが世話になっている。これから関わることもあるだろう。その時はよろしく。」
2人はアルスに挨拶してくれた。
サリーはロフと同い歳の45歳でリエラとよく似似ていて、とても美人だ。
サイルは20歳。王立学校を2年前に卒業し、今はノスタ公爵領の行政官を務めている。次期ノスタ公爵家当主である。ロフに似てイケメンでもある。
「サリー夫人、サイル殿よろしくお願いします。」
アルスも2人に挨拶をした。
食事をしながら楽しく会話をしていると建設初日の祭りの話になっていた。
水路整備の際は緊急時だった為できなかったが、この世界では領主や行政が何か新しく建設する時は領主の挨拶だけでなく建設祭を開くことが慣例になっている。この祭りには出店がでるのだが、この出店が問題になっている。
出店の全てが屋台なのだが、全てが家庭で普段食べているものばかりで挨拶が終わると同時にほとんどの人が帰ってしまい、閑散としてしまうからだ。
この世界の食材は地球と同じである。しかし、料理の種類が少ないのが問題であった。
「一体、どうすれば人が集まるんだ。いつも悩まされるよ。」
ロフが嘆く。
アルスは日本の屋台を思い出した。
日本の屋台には様々な屋台がある。やりたい屋台料理はたくさんあるが、こちらで実現しようにも1週間では時間が無く、アルスも前世で料理をあまりしてこなかったため、どの料理が簡単にできるのか分からなかった。
(あとで料理でも検索してみるか...)
アルスは後で検索スキルを使い勉強することにした。
その後も会話を楽しみ、歓迎会は終わった。
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歓迎会終了後、アルスはお風呂に入り、今は客室にいる。
お風呂はとても広くゆっくり楽しむことができたし、客室も豪華だ。
アルスは部屋のソファーに座り、屋台の料理をまず整理した。
その中でアルスが重視したのがどの世代も楽しめて、できるだけ1度で大量に作れるものだ。
アルスは前世の記憶を思い出し、作ろうと思った料理を決めた。
それは、焼きそばだ。
大きな鉄板の上で、野菜と豚肉と麺をソースで絡める料理だ。
とても美味しいし、安く提供もできる。
しかし、麺とソースの問題がある。どちらもアルスは作った経験はない。
ここでアルスは初めて検索スキルを使った。
「焼きそばの麺とソースの作り方を検索!」
アルスがそう口にすると目の前に作り方がステータスボードのように表示された。
「なんて便利なんだ。」
初めての検索にアルスはとても驚かされた。
アルスは作り方を紙に書き起こし、必要な材料をノスタ公爵家のメイドに伝え、揃えてもらうことにした。
そしてアルスはこの日はもう休むことにした。
次の日、さすがは公爵家、材料は次の日の朝には全て揃い、アルスは料理に取りかかるのであった。
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