早朝

いつの間にか夜が明けていた朝の

白い息潤んでは消えていく今も


朝焼けの温度も知りたくない今日は

黄金で透明な一筋がはらり


ビルの陰届いた温もり

服の上這っては光模様

目の中に飛び込んでいたずらに

揺れておどけては虹水晶


「あなたの瞳って、赤色みたいね」


そうさ

いつまでも君に見とれていた頃の

同じ席座っては待っていた駅を


朝焼けの温度も知りたくない今日は

黄金で透明な一筋がはらり


はらり



いつの間にか夜に立ち止まりしばし

目を閉じる朝日を忘れてる未だ


同じ電車に乗る結露した窓を

指先で水滴の一筋がはらり


座席の上滑るように温もり

つま先で踊っては光模様

窓から飛び込んでいたずらに

揺れてふざけては朝景色


「あなたの言葉って、早朝みたいだ」


そうさ

いつまでも泳いで溺れていた朝へ

鼻で吸い込んだらツンとするような


朝焼けの温度に触れていた今日は

黄金で透明な一筋がはらり

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